『共産党宣言』なう | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 本屋に行くと、なぜか、マルクスの名前のつく本が、複数平積みになっています。今、なぜ、マルクス、なんでしょう?

 『共産党宣言』は、まあ、いわゆるベストセラー中のベストセラーだから読んでいる人も多いでしょうが、資本主義社会の偏見で手にも取ったことがないという「ブルジョア自由主義者」も多いでしょう。それ自体、まったく自由ではない態度にもかかわらず・・・。ともかく、書いたのはマルクスとエンゲルス、1848年の作、今から150年以上も前の本です。

 いろいろ、今読んでも、刺激的かつ今日的な言葉が凝縮しています。

 「共産主義者の理論的命題は、けっしてあれこれの世界改良家が発明したり、発見したりした思想や原理にもとづくものではない」、つまり、机上の発想ではなく、現実に根ざした表現だということです。マルクスやエンゲルスが描こうとしたのは、「おい、資本主義って、結局は、こういうことだぜ、こんなんでいいのかよ」みたいな現実の暴露です。それを150年前に既に行っていたということです。最初から、搾取、階級対立、という現実は存在したし、ピケティじゃないけど、むしろ拡大していく一方なのでしょう。

 それから、共産主義といえば、「私有財産制の廃止」ですが、その点についても、核心が語られています。
 「われわれは、自分の生命そのものを再生産するために、労働生産物を個人的に取得することじたいを廃止しようとするものではまったくない。・・・われわれが廃止しようとするのは、資本を増殖させるためにのみ労働者が生き、支配階級の利益が必要とするかぎりにおいてのみ労働者が生きていける、というこの取得の惨めな性格である。」

 資本主義の反共産主義キャンペーンでは、あらゆるものの私有が廃止され、すべて共有になっちゃうよ、そんなの嫌でしょ、共産主義は全体主義だ!みたいのがありますが、そんなくだらないことは最初から考えられていません。歯ブラシまで共有、なんてありえないでしょ?個別に使われるべきものは当然にあるのです。

 ただ、今の世の中みたいに、1%の人(法人を含む)が富の源泉を独占し、残りの99%がギリギリで生きていくことを強いられるような地球の上の人類のあり方=資本主義は乗り越えられる、というのが『共産党宣言』で語られている共産主義。ソ連や中国みたいなヘンテコな制度とは違います。


 フランスでは、非常事態宣言の最中、高校生もバリケードストライキをやりながら、労働法制改悪反対の120万人規模のゼネストが行われているし、同じくゼネスト状況が続く韓国でもパククネ政権が選挙で敗れ、混乱です。

 こんな搾取と階級社会やってらんないぜ!ということで、マルクスの言葉を今、意味を再び持っているのでしょう。

 万国の労働者団結せよ!という言葉が、21世紀の今、インターネットで可能になっているわけです。今一度、自由に発想し、大胆に思考するために、『共産党宣言』の発想をドグマとしてではなく、学ぶことは意味があると思います。