図書館奇譚? 本当の「図書館戦争」 知の民営化という攻撃 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

ブログの説明を入力します。

 レンタル大手「TSUTAYA」と連携した市立図書館建設計画、10月4日に愛知県小牧市で投開票された住民投票の結果、反対多数を占めた。住民投票条例で市長、市議会は投票結果を尊重すると定めており、同市の「TSUTAYA図書館」は計画の見直しを迫られることになった、とのこと(10/5)。

 03年から施行された「指定管理者」制度でカルチュア・コンビニエンス・クラブという民間業者に運営を委託しようという海老名市立中央図書館でも、シリーズ本が全巻揃っていない、性風俗の「裏の夜遊び」本が含まれていたり・・とのこと。

 まあ、「良書」と「悪書」というのも、よくわからないので、なんともいえませんけど、本はカフェの飾りじゃないし、インテリア扱いされるのは不満です。

 しかし・・・図書館というみんなの知の場、まで、民営化、つまり、私企業化にさらされているのだなあ、と改めて思います。みんなのもの=いわゆるインフラは、電気、鉄道、電話、水道、郵便、など、ドンドン、商売のネタにされるのが新自由主義ですけど、本というか、知識まで商品化されようとしているわけです。

 もっとも、世の中、本、「ヘイト本」とか、「日本はすごいぜ本」、とか、「自己啓発=ビジネス系の本」みたいな本が書店に並んでたりしてウンザリ・・。  
 ほんとに本、読む人、少なくなっているのかもなあ・・・。

 本・・・。読まない人に限って、「机の上より現実が大事」なんて言っている気がしますが、実際に何かを成し遂げた人で、本を読んでない人なんているのかなあ、って思います。

 少なくとも、私の尊敬する人、一目置く人は、本を読んでいる。別にひけらかすこともないけど。本を読んでいない人は、極端にいえば、その場、その場の条件反射みたいな思考、いわば虫のような思考に陥っているような気がする。え? この間の事実(社会の出来事、自分の発言など)とつながってないんじゃない?みたいな。思考につながりがない、というか。テレビ的、ネット的な断絶の情報に基づく反射としての思考・・・。

 そういう意味で、本というのは、過去と今、そして未来をつなげる人類の知識の「継承」なのだと思います。単なる「情報」ではなくて。その知識がフリー(無料)で集まるのが図書館。図書館を民営化=私企業化という攻撃にさらされています。この攻防こそが図書館戦争。

 私たちの知の継承は、私たちで守りましょう!