戦争法案成立の時代 合法という枠組みについて | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 以前も書きましたが、合法・違法という基準と、善・悪という基準は、まったく別のもの、です。
 法律に禁止されているから悪、なのではありません。もちろん重なる部分もありますが、別の「基準」であり、自分の中で整理が必要だと思います。

 たとえば、今の時代、特定秘密保護法が施行され、安保法が成立しました。つまり、国家が「秘密」、つまり、私たちに関する情報を管理し、集団的自衛権行使の名のもとに戦争を行うことが、一応、合法化している、ということだと思います。

 ということで、私たちが「正しい」と判断して国家の戦争に関する秘密を漏洩させて暴露したり、戦争に協力しないことは、時に違法となるわけです。恐ろしいことですね。

 戦前・戦中と同じく、戦争が合法化されてしまえば反戦すなわち違法という可能性が出てきます。

 それゆえに、なお一層、自分の正・悪の行動基準・規範の確立をしないと、政府の「合法化」攻撃に振り回されてしまうでしょう。自分の頭、自分たちの話し合いで、決めていくことが大事だと思います。

 当然ながら、よく考えて、よく仲間と話し合った結果、非合法=違法な闘いをせざるをえない場合もますます出てくるだろうということです。


 実務法律家としては、法の建前、憲法の組み立てを理解しつつ、それだけが基準ではないと理解した上でないと、ただただ、権力側に都合のいい「秩序維持者」に組み入れられるだけで、要注意の時代だと思います。

 単に、「弁護士だから」という発想では、正しいことが出来ないということです。合法だろうが、悪いものは悪い、違法だろうが正しいものは正しい、という判断を適宜要求される厳しい時代に入っているのだと思います。今日の合法は明日の違法、かもしれません。

 心してかからないと、「立派な法匪」になってしまうかも。自戒、自戒。本当に大変です。がんばりましょう!