いよいよ、監視国家化への次なる段階、「盗聴拡大、司法取引、匿名証人制度」などの「刑事司法改革」法案が閣議決定されました(3/13)。成立したらどうなるのでしょう。
とりわけ、日本では馴染みのない「司法取引」。取引、つまりtradeが国家権力と被疑者・被告人扱いされている人の間に取り交わされるという仕組みです。
他人の罪を明らかにすれば、自分の罪は軽くなるし、起訴されないという「見返り」が得られるという警察・被疑者間のbusiness。
つまり「他人の罪の告白」を「自分の免責」を対価に国家に売却する、ということですね。
麻薬の密輸を組織的に行ったと警察が睨んでいる事案で、末端の「売人」を逮捕しても「首謀者」をなかなか逮捕できないから、というのがオモテ向きの理由・・・
しかし、例えば、原発が再稼働しそうだから反対しようということで仲間と相談して電力会社の門前でビラマキをすることを決め、ビラを配っていたら、敷地に足が入ったという理由で会社から警察が呼ばれ建造物侵入で逮捕されたとします。
取調べ警察官は、「お前一人でやったんじゃないだろう?誰がやろうって言い出したんだ? 言えば、お前の起訴は見送ってやるぞ」と取引を持ちかける=裏切りと密告を誘因するでしょう。
実は逮捕も取調べを受けるのも初めての圧倒的に弱い立場の佐藤くん、しかも今回、友人に誘われて初めて参加した人だったら・・・「はい、友人の田中くんに誘われたのです。」、「他にも誰か居なかったか?リーダーみたいな奴がいただろう?」「う~ん、よくわからないけど・・・」「山田も居ただろう?ソイツも誘ってきたんだろう?言っちゃえよ」「(よくわからないけど)かもしれません。」で取引成立!
「よ~し、認めるな。そのかわり、ウソだったら懲役5年だからな。法廷でもしっかり話すんだぞ」と念押しされちゃいます。
この「司法取引」を「利用」すれば、政府の意向、つまり戦争協力や原発の再稼働に反対する人たちは、デモやビラ配りに際し、「転び公妨」(警官が何もされていないのにワザと転んで逮捕する伝統的手法)で参加者を一人逮捕することにより「反対派組織」全員が公務執行妨害で逮捕出来るかも?
ともかく、ウソで他人を売って、それを貫けば、自分が処罰されないってことであれば必死に頑張って罪を逃れようとする虚偽証言者が増えるでしょうね。
裏切りと仲間売り渡しの相互密告社会・・・私たちはそんなに強くない・・・警察と対等に「取引」できる人はいるのかな・・・
まだ、法(案)です、成立はしてません。日弁連は腰砕けですけど、私たちは全力で反対しましょう!