
フィリップ・K・ディック著(1968年)。
きっかけはBUCK-TICK(笑)
この小説をモチーフに作られたとされる曲があって、
興味を惹かれたので読んでみました。
因みに1982公開のハリソン・フォード主演映画「ブレードランナー」
の原作でもあります。ただあたしは映画は観た事はないので
そうゆう意味では先入観なく楽しく読めました。
(色んな方のレビューだと別モノと捉えた方が良いみたい)
所謂SFなのだけど、当時にこういった時代設定…
三次世界大戦や火星…人造人間(アンドロイド)に
人々を精神面で支える装置(ムードオルガン、共感ボックス)
といった発想がどこまで斬新だったのかは定かでないけど、
人間とは?生命とは?といったシンプルなテーマを
先の小道具を織り交ぜ、テンポ良く巧みに描いています。
加えて今現在進行中?の放射能や絶滅していく動物、ロボットの躍進を考えると、
ある種の予言書とも取れなくない位かと。
発表から40年以上経った今でもこの内容が読む側に訴えるのは
そうした事実、脅威にリアリティがあるせいなんだろうな…とか。
”人間とアンドロイドの生物学上の、或は自然科学上の区別は
全く無意味である。親切な存在はすべからく「人間」であり、
それ以外は人間ではない。この非人間的性質の比喩としてのみ
「アンドロイド」を持ち出している事を失念してはならない”
上記はあとがきの引用だけど、
つまり悪しきはアンドロイドではなく…
あくまで親切心を持たない非人道的性質であると。
そしてその"親切"は作中では"感情移入"という言葉で語られ、
科学の躍進により人間と区別がつけられなくなったアンドロイドを
選別するため唯一の検査方法(感情移入反応があるか否か…)となるのだが…
果たして2012年の今この時に…全ての生きとし生きる人間が
その検査を受けたとて、結果はどう出るのだろう?
協調性を欠き表情に乏しく赤く流れる血に反応を示さない…
そういった彼らの入れ物はホンモノではないのかも?…とか。
しかしもう随分と前から知らない内にそうした輩が
どんどん世の中に生産(排出)されているのかもしれない。。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
/フィリップ・K・ディック
