日暮らし〈//〉/宮部 みゆき

所々登場する日暮らしの鳴き声。
そしてタイトルの所以は終盤明かされる。
因みにあたしは日暮らしを(多分)見た事がない…
故に鳴き声も意識して聞いた記憶がない。
九州では少ないのだろうか??
どこか悲しげとされるその声を聞いてみたいものだ。

こうした時代小説、特に江戸を舞台にしたものは大好きで、
あまり歴史に詳しい訳ではないけど
活気があって色鮮やかな世界観に魅了される。
今回の作品もしかり。
登場する人物は皆生き生きとしているし、
主人公の深川の同心、井筒平四郎は江戸の"粋"を
絵に描いたような人物でとても好感が持てる。
そして特筆すべきは随所に登場する料理の数々。
蕎麦や煮物から惣菜…高輪の佃煮、
直前の人が全て買っていってしまった塩大福まで(笑)
改めて日本の食文化の素晴らしさを感じますね。

物語は「ぼんくら」の続編ということだが
あたしはそれを読まずにコレから入った。
(というか相方のお下がりなので…笑)
確かに前作を読んだ方がすんなりいくのだろうけど、
これだけでも充分楽しめました。
特に平四郎の甥で絶世の美男子?とされる
弓之助は印象的で実写化されたら誰だろう?
とか余計な心配をしてみたり(笑)
少し前だと神木隆之介君とか思いつくのだけど、
でも女性が演じても良いのかも??

あとこれはこの作品に限らないのだけど、
小説はその類の下手なビジネス書よりも参考になる。
例えば今作で言えば相手方の立場(職責)を考えた振る舞いや、
その人の考えや趣向に応じた懐への自然な入り方。
説き伏せたい相手との寝技(酒を交え)交渉する術等、
それは今の時代もあまり変わらない。
しかし現実にはそういった大切な事…
人の心の動きやその背景を感じ取る事もしないで、
何でも正論や理屈だけで通そうとする人って
会社の上層にも結構居たりするんだよなぁ…、、
とか考えてみたり。。