それから…
雨が血相を変えて落ちて来ると
僕は真昼に泣いてしまった
ぶっきらぼうに綴られた長い手紙の
差出人もわからないまま

それから…
自我の斜面をスローモーションで滑って
谷底の濁り水に浸ってた
通りすがりの若い太陽の欠片が
こっちを指差して笑ってるけど

それから…
散乱してる風習をかき集めて
即席のみみっちい筏を作った
古里の穏やかな訛りのように
ゆっくりと焦って直走る

それから…

黒い花の咲き誇る大庭園で
魅惑の契約書にサインをしてから
目の前を流れ行く僕を乗っけた筏が
見えなくなるまで手を振っていた…