数にして数百人は居るだろうか。
男女入り乱れてソファに深々座り、
グラスを片手に談笑している。
知人が気付き、席を譲る素振りを見せたが
僕は気にせず通り過ぎる。
少し小上がりになった一角には
何やら責任者らしき人物が悠々と座っている。
大柄で黒いスーツを着たその男は
僕に車を貸すよう求めてきたが
生憎、車は僕だけの物じゃなく、
家族が利用するので彼の依頼を断った。
すると彼は何やらカタログを取り出した。
”真珠?”
マルチ商法か何かの勧誘だと察した僕は
無言で足早にその場を後にした。

路面電車の待合室は混んでおり、
僕が乗りたい行き先の電車にはなかなか乗れそうにない。
意を決して見知らぬ行き先の電車に乗ってしまった。
「○○君でしょ?」
混雑する電車の中で名前を呼ばれた。
さっきのパーティ会場で僕を見かけたという
女性が僕を覗き込む。
彼女は次の駅で回数券を女の車掌に手渡して降りてしまった。
僕も慌てて彼女を追いかけるべく電車を降りた。
電車賃は払わなかったがいいのだろうか…。
彼女は足早に、それでも僕が追いつける程度に
街の路地を抜けて行く。
そして古びた中華料理屋に姿を消した。
彼女の着ていた白いドレスの一部が
郵便ポストからはみ出ていた。
店を覗き込むと彼女はエプロン姿で、いつもはココに居る。
と言わんばかりに僕に微笑んでいる。
携帯の番号は教えなくてもいいな。
すっかり安心した僕は彼女に新宿の方向を訪ねたが、
予期していたのとは全く逆の方向を指された。
あぁ、見渡せば見覚えある景色だった。
いや…しかし、、途方に暮れた。


【解説】
参加しないパーティーは人付き合いが苦手な事や
他人との間に壁を作っているのだそう。
真珠は穏やかな愛、妊娠といったものの象徴。
異性と電車に乗るという事は恋愛の進展を示唆し、
しかし通勤電車であればあまり良い兆しではない。
追って追いつくことは良い兆し。
エプロンは家庭の象徴。家庭への憧れ。
(参考文献:夢占いキーワード事典