『顕謗法抄』(佐前)[曾存] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 問うて云(い)はく、衆生 謗(ぼう)ずべきゆへ(故)に 仏 最初に法華経を と(説)き給(たま)はずして、四十余年(しじゅうよねん)の後に法華経を とき給はゞ、汝(なんじ)なんぞ当世に権経(ごんきょう)をば とかずして、左右(そう)なく法華経を といて人に謗をなさせて悪道に堕(だ)すや。答へて云はく、仏 在世(ざいせ)には 仏 菩提樹(ぼだいじゅ)の下に坐(ざ)し給ひて機を かゞみ給ふに、当時 法華経を説くならば、衆生 謗じて悪道に堕(お)ちぬべし。四十余年す(過)ぎて後に とかば、謗ぜずして 初住(しょじゅう) 不退 乃至(ないし) 妙覚(みょうがく)に のぼりぬべしと知見(ちけん)しましましき。末代濁世(じょくせ)には当機にして初住の位に入(い)るべき人は万に一人もあ(有)りがた(難)かるべし。又 能化(のうけ)の人も仏にあらざれば、機を かゞみん事も これかた(難)し。されば逆縁順縁のため(為)に、先(ま)づ法華経を説くべしと仏ゆる(許)し給へり。但(ただ)し 又 滅後なりとも、当機衆になりぬべきものには、先づ権教(ごんきょう)を とく事もあるべし。
(平成新編0282~0283・御書全集0451・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0441・昭和定本[1]0260)
[弘長02(1262)年(佐前)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]