『四恩抄』(佐前) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 又 止事(やんごと)なく めでた(目出度)き事 侍(はべ)り。無量劫(むりょうこう)の間 六道に回(めぐ)り候(そうら)ひけるには、多くの国主に生まれ値(あ)ひ奉(たてまつ)りて、或(あるい)は寵愛(ちょうあい)の大臣・関白(かんぱく)等とも なり候ひけん。若(も)し爾(しか)らば国を給(たま)はり、財宝 官禄(かんろく)の恩を蒙(こうむ)りけるか。法華経流布の国主に値ひ奉り、其(そ)の国にて法華経の御名(みな)を聞いて修行し、是(これ)を行じて讒言(ざんげん)を蒙り、流罪に行なはれまいらせて候(そうろう)国主には未(いま)だ値ひまいらせ候(そうら)はぬか。法華経に云(い)はく「是(こ)の法華経は無量の国中に於(おい)て 乃至(ないし) 名字(みょうじ)をも聞くことを得(う)べからず。何(いか)に況(いわ)んや見ることを得(え)て 受持(じゅじ)し読誦(どくじゅ)せんをや」云云。されば此(こ)の讒言の人、国主こそ我が身には恩深き人には をわしまし候(そうろう)らめ。
(平成新編0267・御書全集0937・正宗聖典----・昭和新定[1]0418・昭和定本[1]0237)
[弘長02(1262)年01月16日(佐前)]
[真跡、古写本・無]
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