仁王経(にんのうきょう)に云(い)はく「国土乱れん時は 先(ま)づ鬼神(きじん)乱る。鬼神乱るゝが故(ゆえ)に万民(ばんみん)乱る。賊(ぞく)来たりて国を劫(おびや)かし、百姓(ひゃくせい)亡喪(もうそう)し、臣・君・太子・王子・百官 共(とも)に是非(ぜひ)を生ぜん。天地 怪異(けい)し二十八宿(しゅく)・星道(せいどう)・日月(にちがつ)時を失ひ度を失ひ、多く賊の起こること有(あ)らん」と。亦(また)云はく「我 今 五眼(ごげん)をもって明らかに三世(さんぜ)を見るに、一切の国王は 皆 過去の世に五百の仏に侍(つか)へしに由(よ)って帝王主と為(な)ることを得たり。是(これ)を為(もっ)て一切の聖人(しょうにん)羅漢(らかん) 而(しか)も為(ため)に彼(か)の国土の中に来生(らいしょう)して大利益(りやく)を作(な)さん。若し王の福尽(つ)きん時は一切の聖人 皆 捨去(しゃこ)為(せ)ん。若し一切の聖人去(さ)らん時は 七難必ず起こらん」已上(いじょう)。
薬師経(やくしきょう)に云はく「若(も)し刹帝利(せっていり)・潅頂王(かんじょうおう)等の災難起こらん時、所謂(いわゆる)人衆疾疫(にんじゅしつえき)の難・他国侵逼(たこくしんぴつ)の難・自界叛逆(じかいほんぎゃく)の難・星宿変怪(せいしゅくへんげ)の難・日月薄蝕(にちがつはくしょく)の難・非時風雨(ひじふうう)の難・過時不雨(かじふう)の難あらん」已上。
(平成新編0236・御書全集0019・正宗聖典0054・昭和新定[1]0369~0370・昭和定本[1]0211)
[文応01(1260)年07月16日"文応01(1260)年07月"(佐前)]
[真跡・中山法華経寺(70%以上100%未満現存)、古写本・日興筆 富士大石寺 日興筆 玉沢妙法華寺]
[※sasameyuki※]