[細雪注・これより前は欠]
答へて曰(いわ)く、爾(しか)なり。謂(い)はく 夏(か)の桀(けつ)・殷(いん)の紂(ちゅう)・周(しゅう)の幽(ゆう)等の世(よ) 是(これ)なり。
難(なん)じて云(い)はく、彼(か)の時 仏法無し。故(ゆえ)に 亦(また)謗法者無し。何に依(よ)るが故に国を亡ぼすや。答へて曰く、黄帝(こうてい)・孔子(こうし)等 治国(ちこく)の作方(さくほう)五常(ごじょう[細雪注・仁義礼智信の五つの徳目])を以(もっ)てす。愚王 有りて礼教を破る故に災難出来(しゅったい)す。
難じて云はく、若(も)し爾(しか)らば 今世の災難五常を破るに依(よ)らば 何(なん)ぞ必ずしも選択(せんちゃく)流布(るふ)の失(とが)と云ふや。答へて曰く、仏法 未(いま)だ漢土に渡らず前には黄帝等五常を以て国を治(おさ)む。其(そ)の五常は仏法渡りて後 之(これ)を見れば即ち五戒なり。
(平成新編0187・御書全集ーーーー・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0315・昭和定本[1]0158)
[正元02(1260)年02月上旬(佐前)]
[真跡(断簡)・中山法華経寺(100%現存)]
[※sasameyuki※]