禅宗の云(い)はく、涅槃経 二に云はく「我 今 所有(しょう)の無上の正法(しょうぼう)、悉(ことごと)く以(もっ)て摩訶迦葉(まか かしょう)に付嘱(ふぞく)す」云云。此(こ)の文(もん)如何(いかん)。答へて云はく、無上の言(ことば)は大乗に似たりと雖(いえど)も、是(これ)小乗を指(さ)すなり。外道(げどう)の邪法に対すれば、小乗をも正法と いはん。例(れい)せば大法東漸(とうぜん)と云へるを、妙楽大師 解釈(げしゃく)の中に「通指(つうし)仏教」と云ひて、大小権実(ごんじつ)を ふさ(総)ねて大法と云ふなり云云。
(平成新編0026・御書全集0150~0151・正宗聖典----・昭和新定[1]0100・昭和定本[1]0017)
[建長07(1255)年(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]