一、上(かみ)の如(ごと)く一同に此(こ)の本尊を忽諸(こつしょ)し奉(たてまつ)るの間、或(あるい)は曼荼羅(まんだら)なりと云(い)ひて死人を覆(おお)ふて葬(ほうむ)る輩(やから)も有り、或は 又 沽却(こきゃく)する族(やから)も有り。此(か)くの如く軽賎(きょうせん)する間 多分は以(もっ)て失(う)せ畢(おわ)んぬ。
日興が云はく、此(こ)の御筆(おんふで)の御本尊は是(これ)一閻浮提(いちえんぶだい)に未(いま)だ流布せず、正像末(しょう ぞう まつ)に未だ弘通(ぐつう)せざる本尊なり。然(しか)れば則(すなわ)ち日興門徒の所持(しょじ)の輩に於(おい)ては、左右(そう)無く子孫等にも譲(ゆず)り 弟子等にも付嘱(ふぞく)すべからず。同一所に安置(あんち)し奉り、六人一同に守護し奉るべし。是 偏(ひとえ)に広宣流布の時、本化(ほんげ)国主 御尋ね有らん期(とき)まで深く敬重(けいちょう)し奉るべし。
(平成新編1872・御書全集1606・正宗聖典0541・昭和新定[-]----・昭和定本[-]----)
[延慶02(1309)年(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]