天台智者大師の釈(しゃく)に云(い)はく「女に記(き)せず」等云云。釈の心は 一切経には女人(にょにん)は仏にならずと云云。次下(つぎしも)に云はく「今の経は皆 記(き)す」と云云。今の法華経にこそ竜女(りゅうにょ)は仏になれりと云云。天台智者大師と申(もう)せし人は、仏 滅度の後 一千五百年に、漢土と申す国に出(い)でさせ給(たま)ひて、一切経を十五返(へん)まで御覧(ごらん)あそばして候(そうら)ひしが、法華経より外(ほか)の経には女人は仏にならずと云云。妙楽大師と申せし人の釈に云はく「一代(いちだい)に絶えたる所なり」等云云。釈の心は一切経に た(絶)えたる法門なり。
(平成新編1352・御書全集1188・正宗聖典----・昭和新定[3]1960・昭和定本[2]1624~1625)
[弘安02(1279)年02月02日(佐後)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]