『強仁状御返事』(佐後)[真跡] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 強仁上人(ごうにんしょうにん)十月二十五日の御勘状(ごかんじょう)、同十二月二十六日 到来す。此(こ)の事 余(よ)も年来 鬱訴(うつそ)する所なり。忽(たちま)ちに返状を書きて自他の疑氷(ぎひょう)を釈(と)かんと欲(ほっ)す。但(ただ)し歎(たん)ずるは田舎に於(おい)て邪正(じゃしょう)を決せば、暗中に錦を服して遊行し、澗底(かんてい)の長松(ちょうしょう)匠(たくみ)に知られざるか。兼(か)ねて又(また)定めて喧嘩(けんか)出来(しゅったい)の基(もとい)なり。貴坊(きぼう)本意を遂(と)げんと欲せば、公家と関東とに奏聞(そうもん)を経(へ)て露点(ろてん)を申し下(くだ)し是非を糾明(きゅうめい)せば、上一人(かみいちにん)咲(え)みを含み、下万民(しもばんみん)疑ひを散ぜんか。其(そ)の上 大覚世尊(だいかくせそん)は仏法を以(もっ)て王臣(おうしん)に付嘱(ふぞく)せり。世 出世(せ しゅっせ)の邪正を決断せんこと必ず公場(こうじょう)なり。
(平成新編0916・御書全集0184・正宗聖典----・昭和新定[2]1364~1365・昭和定本[2]1122)
[建治01(1275)年12月26日(佐後)]
[真跡・京都妙顕寺(100%現存)]
[※sasameyuki※]