弘演(こうえん)と い(云)ゐし者は、主(きみ)衛(えい)の懿公(いこう)の肝(きも)を取りて我が腹を割(さ)きて納めて死にき。予譲(よじょう)と いゐし者は 主の智伯(ちはく)が はぢ(恥)を すゝ(雪)がんがために剣(つるぎ)を の(呑)みて死せしぞかし。此(これ)は たゞ わづ(僅)かの世間の恩を ほう(報)ぜんがため(為)ぞかし。いわう(況)や無量劫より已来(このかた)六道に沈淪(ちんりん)して仏に な(成)らざることは、法華経の御ため(為)に身を を(惜)しみ命を す(捨)てざるゆへ(故)ぞかし。
(平成新編0826・御書全集1326・正宗聖典----・昭和新定[2]1215~1216・昭和定本[2]0990)
[建治01(1275)年05月08日(佐後)]
[真跡・茂原鷲山寺外五ヶ所(10%以上40%未満現存)]
[※sasameyuki※]