法師品(ほっしほん)に云(い)はく「如来の室(しつ)に入(い)り、如来の衣を著(き)、如来の座(ざ)に坐(ざ)して、爾(しか)して乃(いま)し応(まさ)に四衆(ししゅ)の為(ため)に広く斯(こ)の経を説くべし」と。経釈に云はく「如来の室[梵行(ぼんぎょう)の中の慈悲喜なり]とは一切衆生の中の大慈悲心 是(これ)なり」と。玄義(げんぎ)に云はく「如来の室とは即(すなわ)ち円の梵行なり」と。法師品に云はく「如来の衣とは柔和(にゅうわ)[嬰児行(ようにぎょう)]忍辱(にんにく)[病行]の心 是なり」と。玄義の四に云はく「如来の衣に二種 有り。柔和は即ち円の嬰児行なり。忍辱は即ち円の病行なり」と。法師品に云はく「如来の座とは一切法空 是なり」と。玄義の四に云はく「如来の座とは即ち円の天行なり」と。
(平成新編0080~0081・御書全集ーーーー・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0187~0188・昭和定本[3]2255)
[正嘉01(1257)年(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]