仏は法華経を さと(悟)らせ給(たま)ひて、六道四生の父母孝養の功徳を身に備へ給へり。此(こ)の仏の御功徳をば法華経を信ずる人に ゆづ(譲)り給ふ。例(れい)せば悲母(ひも)の食(くら)ふ物の乳と なりて赤子を養ふが如(ごと)し。「今此三界 皆是我有、其中衆生 悉是吾子(こんしさんがい かいぜがう、ごちゅうしゅじょう しつぜごし)」等云云。教主釈尊は此の功徳を法華経の文字と なして一切衆生の口に な(嘗)めさせ給ふ。赤子の水火(すいか)を わきま(弁)へず毒薬を知らざれども、乳を含めば身命を つ(継)ぐが如し。
(平成新編0815・御書全集1046・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1199・昭和定本[1]0944)
[建治01(1275)年04月(佐後)]
[真跡・京都本圀寺外三ヶ所(10%未満現存) 身延曾存]
[※sasameyuki※]