爾(そ)の時に大覚世尊 寿量品を演説し、然して後に十神力(じんりき)を示現(じげん)して四大菩薩に付嘱(ふぞく)したまふ。其(そ)の所属の法は何物ぞや。法華経の中にも広を捨てゝ略を取り、略を捨てゝ要を取る。所謂(いわゆる)妙法蓮華経の五字、名体宗用教(みょう たい しゅう ゆう きょう)の五重玄(ごじゅうげん)なり。例(れい)せば九包淵(きゅうほうえん)が相馬(そうば)の法には玄黄(げんこう)を略して駿逸(しゅんいつ)を取り、史陶林(しとうりん)が講経の法には細科を捨てゝ元意(がんい)を取るが如(ごと)し等なり。
(平成新編0783・御書全集1032・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1146・昭和定本[1]0902)
[文永12(1275)年03月10日(佐後)]
[真跡・中山法華経寺(100%現存)、古写本・日向筆 岩本実相寺 日法筆 岡宮光長寺 日澄筆 北山本門寺]
[※sasameyuki※]