倩(つらつら)世間を見るに法をば貴(とうと)しと申せども、其(そ)の人をば万人 是(これ)を悪(にく)む。汝(なんじ)能(よ)く能く法の源に迷へり。何(いか)にと云(い)ふに、一切の草木(そうもく)は地より出生(しゅっしょう)せり。是を以(もっ)て思ふに、一切の仏法も又(また)人に よ(依)りて弘まるべし。之に依(よ)って天台は「仏世(ぶっせ)すら猶(なお)人を以て法を顕(あら)はす。末代いづくんぞ法は貴けれども人は賎(いや)しと云はんや」とこそ釈して御坐(おわ)し候(そうら)へ。
(平成新編0298・御書全集0465・正宗聖典----・昭和新定[1]0464・昭和定本[1]0281~0282)
[弘長03(1263)年(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]