梵網(ぼんもう)・瓔珞(ようらく)の十重禁戒・十無尽戒も初めに五戒を連(つら)ねたり。大小乗の戒は五戒を本(もと)と為(な)す。故に涅槃経(ねはんぎょう)には具足根本業清浄戒(ぐそくこんぽんぎょうしょうじょうかい)とは是(これ)五戒の名なり。一切の戒を持(たも)つとも、五戒無ければ諸戒具足すること無し、五戒を持てば諸戒を持たざれども、諸戒を持つに為(な)りぬ、諸戒を持つとも五戒を持たざれば諸戒も持たれず、故に五戒を具足根本業清浄戒と云(い)ふ。されば天台の釈(しゃく)に云はく「五戒は既に是(これ)菩薩戒の根本なり」と。諸戒の模様を知らんと思はゞ、能(よ)く能く之(これ)を習ふべし。
(平成新編0006・御書全集----・正宗聖典----・昭和新定[1]0007~0008・昭和定本[1]0007)
[仁治03(1242)年"文永03(1266)年"(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]