『浄蔵浄眼御消息(黄米御書)』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 きごめ(生米)の俵(たわら)一つ・瓜(うり)籠(こ)一つ・根芋(ねいも)、品々の物給(た)び候(そうら)ひ畢(おわ)んぬ。
 楽徳(らくとく)と名付けゝる長者に身を入(い)れて我が身も妻も子も、夜も昼も責(せ)め遣(つか)はれける者が、余(あま)りに責められ堪(た)へがた(難)さに、隠れて他国に行きて其(そ)の国の大王に宮仕(みやづか)へける程(ほど)に、きりもの(権者)に成(な)りて関白(かんぱく)と成りぬ。後に其の国を力として我が本(もと)の国を打ち取りぬ。其の時、本の主、此(こ)の関白を見て大いに怖(おそ)れ、前(さき)に悪(あ)しく当たりぬるを悔(く)ひかへして宮仕へ、様々の財(たから)を引きける。前に負けぬる物の事は思ひもよらず、今は只(ただ)命のい(生)きん事をはげ(励)む。法華経も又(また)斯(か)くの如(ごと)く、法華経は東方の薬師仏の主、南方西方北方上下の一切の仏の主なり。釈迦仏等の仏の法華経の文字を敬(うやま)ひ給(たま)ふことは、民の王を恐(おそ)れ、星の月を敬ふが如し。
(平成新編1480・御書全集1396・正宗聖典ーーーー・昭和新定[3]2123~2124・昭和定本[2]1768)
[弘安03(1280)年07月07日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]