各々(おのおの)思えらく、宗を立つる法は自宗をほ(讃)めて他宗を嫌(きら)ふは常(つね)の習(なら)ひなりと思えり。法然なむどは又此(こ)の例を引きて、曇鸞(どんらん)の難易・道綽(どうしゃく)の聖道浄土・善導(ぜんどう)が正雑(しょうざつ)二行の名目を引きて天台・真言等の大法を念仏の方便と成(な)せり。此等(これら)は牛跡(ごしゃく)に大海を入れ、県(けん)の額(がく)を州(しゅう)に打つ者なり。世間の法には下剋上(げこくじょう)・背上向下は国土亡乱の因縁なり。仏法には権小の経々を本(もと)として実経をあなづ(侮)る、大謗法の因縁なり。恐るべし恐るべし。
(平成新編0507・御書全集1234~1235・正宗聖典ーーーー・昭和新定[2]1391~1392・昭和定本[1]0411)
[文永08(1271)年"文永03(1266)年""文永02(1265)年""建治01(1275)年"(佐後?)]
[真跡・鎌倉本覚寺外六ヶ所(10%以上40%未満現存)]
[※sasameyuki※]