法華経二の巻に云(い)はく「其(そ)の人命終(みょうじゅう)して阿鼻獄(あびごく)に入(い)らん」云云。阿鼻地獄と申(もう)すは天竺(てんじく)の言(ことば)、唐土(とうど)日本には無間(むけん)と申す。無間はひまなしとか(書)けり。一百三十六の地獄の中に一百三十五はひま(間)候(そうろう)。十二時の中にあつ(熱)けれども、又すゞ(涼)しき事もあり。た(堪)へがた(難)けれども、又ゆるくなる時もあり。此(こ)の無間地獄と申すは十二時に一時(ひととき)かた(片)時も大苦ならざる事はなし。故(ゆえ)に無間地獄と申す。此の地獄は此の我等(われら)が居(い)て候大地(だいち)の底、二万由旬(ゆじゅん)をすぎて最下(さいげ)の処(ところ)なり。
(平成新編1564・御書全集0932・正宗聖典----・昭和新定[3]2239・昭和定本[2]1876~1877)
[弘安04(1281)年08月08日(佐後)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]