妙楽の云(い)はく「若(も)し悩乱(のうらん)する者は頭七分(しちぶん)に破(わ)れ供養すること有(あ)らん者は福(ふく)十号に過(す)ぐ」と。優陀延王(うだえんおう)は賓豆盧尊者(びんずるそんじゃ)を蔑如(べつじょ)して七年の内に身を喪失(そうしつ)し、相州(そうしゅう)は日蓮を流罪して百日の内に兵乱に遇(あ)へり。経に云はく「若し復(また)是(こ)の経典を受持(じゅじ)する者を見て其(そ)の過悪(かあく)を出(い)ださん。若しは実(じつ)にもあれ若しは不実(ふじつ)にもあれ此(こ)の人は現世に白癩(びゃくらい)の病(やまい)を得(え)ん。乃至(ないし)諸悪重病あるべし」と。又(また)云はく「当(まさ)に世々に眼(まなこ)無(な)かるべし」等云云。明心(みょうしん)と円智(えんち)とは現に白癩を得、道阿弥(どうあみ)は無眼(むげん)の者と成(な)りぬ。国中の疫病(やくびょう)は頭破七分(ずはしちぶん)なり。罰(ばつ)を以(もっ)て徳を惟(おも)ふに我が門人(もんじん)等は福過十号(ふくかじゅうごう)疑ひ無き者なり。
(平成新編1115・御書全集0342・正宗聖典0281・昭和新定[2]1651~1652・昭和定本[2]1299)
[建治03(1277)年04月初旬"建治03(1277)年04月10日"(佐後)]
[真跡・中山法華経寺(100%現存)、古写本・日興筆 富士大石寺]
[※sasameyuki※]