広く衆経を披(ひら)きたるに専(もっぱ)ら謗法を重(おも)んず。悲しいかな、皆(みな)正法(しょうぼう)の門を出(い)でて深く邪法の獄(ごく)に入(い)る。愚かなるかな各(おのおの)悪教の綱(つな)に懸(か)かりて鎮(とこしなえ)に謗教(ぼうきょう)の網(あみ)に纏(まつ)はる。此(こ)の朦霧(もうむ)の迷(まよ)ひ彼(か)の盛焔(じょうえん)の底に沈(しず)む。豈(あに)愁(うれ)へざらんや、豈苦(くる)しまざらんや。汝(なんじ)早く信仰の寸心(すんしん)を改めて速(すみ)やかに実乗(じつじょう)の一善に帰(き)せよ。然(しか)れば則(すなわ)ち三界は皆仏国(ぶっこく)なり、仏国其(そ)れ衰(おとろ)へんや。十方(じっぽう)は悉(ことごと)く宝土(ほうど)なり、宝土何(なん)ぞ壊(やぶ)れんや。国に衰微(すいび)無く土(ど)に破壊(はえ)無くんば身は是(これ)安全にして、心は是禅定(ぜんじょう)ならん。此の詞(ことば)此の言(こと)信ずべく崇(あが)むべし。
(平成新編0250・御書全集0032・正宗聖典0071・昭和新定[1]0384・昭和定本[1]0226)
[文応01(1260)年07月16日"文応01(1260)年07月"(佐前)]
[真跡・中山法華経寺(70%以上100%未満現存)、古写本・日興筆 富士大石寺 日興筆 玉沢妙法華寺]
[※sasameyuki※]