『法門申さるべき様の事(法門可被申樣之事・法門可申抄・法門可申事)』(佐前)[真跡] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 此(こ)の上(うえ)捨てられて候(そうろう)四十余年(しじゅうよねん)の経々の今に候はいか(如何)になんど、俗難(ぞくなん)せば返詰(ほんきつ)して申すべし。塔(とう)をく(組)むあししろ(足代)は塔をく(組)みあ(上)げては切りす(捨)つるなりなんど申すべし。此の譬(たと)へは玄義(げんぎ)の第二の文(もん)に「今の大教若(も)し起これば方便の教絶(ぜっ)す」と申す釈(しゃく)の心なり。妙と申すは絶という事、絶と申す事は此の経起これば已前(いぜん)の経々を断(た)ち止(とど)むると申す事なるべし。正直捨方便(しょうじきしゃほうべん)の捨の文字の心、又(また)嘉祥(かじょう)の、日(ひ)出(い)でぬるは星かく(隠)るの心なるべし。但(ただ)し爾前(にぜん)の経々は塔のあししろなれば切りすつるとも、又(また)塔をすり(修理)せん時は用(もち)ゆべし。又切りすつるべし。三世(さんぜ)の諸仏の説法の儀式か(是)くのごと(如)し。
(平成新編0429・御書全集1267・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0640・昭和定本[1]0447)
[文永07(1270)年12月"文永06(1269)年"(佐前)]
[真跡・中山法華経寺(100%現存)]
[※sasameyuki※]