『出家功徳御書(一四句偈功徳書)』(佐後) | 細雪の物置小屋

細雪の物置小屋

御宗祖御開山遺文DBを中心に投稿します。
[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 我が身は天よりもふ(降)らず、地よりも出(い)でず、父母の肉身を分けたる身なり。我が身を損ずるは父母の身を損ずるなり。此(こ)の道理を弁(わきま)へて親の命(おおせ)に随(したが)ふを孝行と云ひ、親の命に背(そむ)くを不孝と申すなり。所詮(しょせん)心は兎(と)も角(かく)も起これ、身をば教(おし)への如く一期(いちご)出家にてあらば、自ら冥加(みょうが)も有るべし。此の理(ことわり)に背きて還俗(げんぞく)せば、仏天の御罰を蒙(こうむ)り、現世には浅ましくなりはて、後生には三悪道に堕ちぬべし。能(よ)く能く思案あるべし。身は無智無行にもあれ、形(かたち)出家にてあらば、里にも喜び、某(われ)も祝著(しゅうじゃく)たるべし。況(いわ)んや能(よ)き僧にて候はんをや。委細の趣、後音を期し候。
(平成新編1372・御書全集1252・正宗聖典----・昭和新定[3]1990~1991・昭和定本[3]2117~2118)
[弘安02(1279)年05月(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]