法華経は何(いか)なる故ぞ諸経に勝れて一切衆生の為に用(もち)ふる事なるぞと申すに、譬(たと)へば草木は大地を母とし、虚空を父とし、甘雨を食(じき)とし、風を魂とし、日月(にちがつ)をめのと(乳母)として生長し、華さ(咲)き菓(このみ)なるが如く、一切衆生は実相を大地とし、無相を虚空とし、一乗を甘雨とし、已今当第一(いこんとうだいいち)の言(ことば)を大風とし、定慧力荘厳(じょうえりきしょうごん)を日月として妙覚の功徳を生長し、大慈大悲の華さ(咲)かせ、安楽仏果の菓なって一切衆生を養ひ給ふ。
(平成新編1381・御書全集1060・正宗聖典----・昭和新定[3]2003・昭和定本[2]1656)
[弘安02(1279)年08月11日"弘安02(1279)年08月17日"(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]