『五人土籠御書』(佐後)[真跡] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 今月七日さど(佐渡)の国へまか(罷)るなり。各々は法華経一部づゝあそばして候へば、我が身並びに父母・兄弟、存亡等に回向(えこう)しましまし候らん。今夜のかん(寒)ずるにつけて、いよいよ我が身より心くる(苦)しさ申すばかりなし。ろう(牢)をい(出)でさせ給ひなば、明年のはる(春)かなら(必)ずき(来)たり給へ。み(見)ゝへまいらすべし。せうどの(少輔殿)ゝ但一人あるやつをつけよかしとをも(思)う心、心なしとをも(思)う人一人もなければ、し(死)ぬまで各々御はぢ(恥)なり。又大進阿闍梨はこれにさた(沙汰)すべき事かたがた(方々)あり。又をのをの(各々)ゝ御身の上をも、みは(見果)てさせんがれう(料)にとゞ(留)めを(置)くなり。くは(詳)しくは申し候はんずらん。恐々謹言。

  せんあくてご房をばつけさせ給へ。又しらうめ(四郎奴)が一人あらんずるが、ふびん(不便)に候へば申す。
(平成新編0479~0480・御書全集1212・正宗聖典----・昭和新定[1]0719~0720・昭和定本[1]0506)
[文永08(1271)年10月03日(佐後)]
[真跡・京都妙覚寺(100%現存)]
[※sasameyuki※]