『教機時国抄(五義抄・五段抄)』(佐前) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 一に教(きょう)とは、釈迦如来所説の一切の経律論五千四十八巻四百八十帙(ちつ)。天竺(てんじく)に流布すること一千年、仏の滅後一千一十五年に当たって震旦(しんだん)国に仏経渡る。後漢(ごかん)の孝明皇帝(こうめいこうてい)永平(えいへい)十年丁卯(ひのとう)より唐の玄宗皇帝(げんそうこうてい)開元(かいげん)十八年庚午(かのえうま)に至る六百六十四歳の間に一切経渡り畢(おわ)んぬ。此(こ)の一切の経律論の中に小乗・大乗・権経・実経・顕教・密教あり。此等(これら)を弁(わきま)ふべし。此の名目(みょうもく)は論師人師よりも出(い)でず、仏説より起こる。十方世界の一切衆生一人も無く之(これ)を用(もち)ふべし。之を用ひざる者は外道(げどう)と知るべきなり。阿含経(あごんきょう)を小乗と説く事は方等・般若・法華・涅槃等の諸大乗経より出でたり。法華経には「一向に小乗を説きて法華経を説かざれば仏慳貪(けんどん)に堕(だ)すべし」と説きたまふ。涅槃経には「一向に小乗経を用ひて仏を無常なりと云はん人は舌(した)口中に爛(ただ)るべし」云云。
(平成新編0269~0270・御書全集0438・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0422~0423・昭和定本[1]0241~0242)
[弘長02(1262)年02月10日(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]