一、五人一同に云はく、本尊に於ては釈迦如来を崇(あが)め奉るべしとて既に立てたり、随(したが)って弟子檀那等の中にも造立供養の御書之(これ)在り云云。而(しか)る間盛んに堂舎を造りて、或は一体を安置し、或は普賢(ふげん)文殊(もんじゅ)を脇士(きょうじ)とす。仍(よ)って聖人(しょうにん)御筆の本尊に於ては彼の仏像の後面に懸け奉り、又堂舎の廊(ほそどの)に之を捨て置く。
日興が云はく、聖人御立ての法門に於ては全く絵像木像の仏菩薩を以て本尊と為(な)さず、唯(ただ)御書の意に任せて妙法蓮華経の五字を以て本尊と為(な)すべし、即ち自筆の本尊是(これ)なり。
(平成新編1871~1872・御書全集1605~1606・正宗聖典0540~0541・昭和新定[-]----・昭和定本[-]----)
[延慶02(1309)年(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]