ごくそつ(獄卒)えんま(閻魔)王の長(たけ)は十丁(→丈)ばかり、面はす(朱)をさし、眼は日月のごとく、歯はまんぐわ(馬鍬)の子のやうに、くぶし(拳)は大石のごとく、大地は舟を海にうかべたるやうにうごき、声はらい(雷)のごとくはたはたとな(鳴)りわたらむには、よも南無妙法蓮華経とはをほ(仰)せ候はじ。日蓮が弟子にてはをはせず。よくよく内をしたゝめて、をほ(仰)せをかほ(蒙)り候はん。なづき(頭脳)をわり、み(身)をせ(責)めていのりてみ候はん。たゞ(只)さき(先)のいのりとをぼ(思)しめ(召)せ。これより後はのちの事をよくよく御かため候へ。恐々謹言。
(平成新編1497・御書全集0908・正宗聖典----・昭和新定[3]2153・昭和定本[2]1795~1796)
[弘安03(1280)年09月20日(佐後)]
[真跡(断簡)・京都頂妙寺(100%現存)]
[※sasameyuki※]