『佐渡御書』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 いよいよ日蓮が先生(せんじょう)・今生(こんじょう)・先日(せんじつ)の謗法おそろし。か(斯)ゝりける者の弟子と成りけん、か(斯)ゝる国に生まれけん、いか(如何)になるべしとも覚えず。般泥■(=清-青+亘)(はつないおん)経に云はく「善男子過去に無量の諸罪・種々の悪業を作らんに、是の諸の罪報或は軽易(きょうい)せられ、或は形状(ぎょうじょう)醜陋(しゅうる)にして、衣服(えぶく)足らず、飲食(おんじき)麁疎(そそ)にして、財を求めて利あらず、貧賎の家及び邪見の家に生まれ、或は王難に遭(あ)ふ」等云云。又云はく「及び余の種々の人間の苦報現世に軽く受くるは、斯(これ)護法の功徳力に由る故なり」等云云。此の経文は日蓮が身なくば、殆(ほとん)ど仏の妄語となりぬべし。一には「或は軽易(きょうい)せらる」、二には「或は形状醜陋」、三には「衣服(えぶく)足らず」、四には「飲食麁疎」、五には「財を求むるに利あらず」、六には「貧賎の家に生まる」、七には「及び邪見の家」、八には「或は王難に遭ふ」等云云。此の八句は只日蓮一人が身に感ぜり。高山に登る者は必ず下(くだ)り、我人(ひと)を軽(かろ)しめば還って我が身人に軽易せられん。形状(ぎょうじょう)端厳(たんごん)をそし(謗)れば醜陋(しゅうる)の報いを得。人の衣服飲食をうば(奪)へば必ず餓鬼となる。持戒尊貴を笑へば貧賎の家に生ず。正法の家をそし(謗)れば邪見の家に生ず。善戒を笑へば国土の民となり王難に値(あ)ふ。是は常の因果の定まれる法なり。
(平成新編0581~0582・御書全集0959~0960・正宗聖典----・昭和新定[1]0841~0842・昭和定本[1]0616~0617)
[文永09(1272)年03月20日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]