『妙心尼御前御返事』(佐後)[古写本] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 すゞ(種々)の御志(おんこころざし)送り給(た)び候(そうら)ひ了(おわ)んぬ。
 をさな(幼)き人の御ために御まぼ(守)りさづ(授)けまいらせ候(そうろう)。この御まぼ(守)りは、法華経のうちのかんじん(肝心)、一切経のげんもく(眼目)にて候。たと(譬)へば、天には日月、地には大王、人には心、たから(宝)の中には如意宝珠(にょいほうじゅ)のたま、いえ(家)にははしら(柱)のやうなる事にて候。
 このまんだら(曼荼羅)を身にたも(持)ちぬれば、王を武士のまぼ(護)るがごとく、子ををや(親)のあい(愛)するがごと(如)く、いを(魚)の水をたの(恃)むがごとく、草木のあめ(雨)をねが(楽)うがごとく、とり(鳥)の木をたのむがごとく、一切の仏神等のあつまりまぼり、昼夜(ちゅうや)にかげ(影)のごとくまぼらせ給ふ法にて候。よくよく御信用あるべし。あなかしこ、あなかしこ。恐々謹言。
(平成新編0903・御書全集1477・正宗聖典1010・昭和新定[2]1340・昭和定本[2]1105)
[建治01(1275)年08月25日(佐後)]
[古写本・日興筆 富士大石寺]
[※sasameyuki※]