『異体同心事』(佐後) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

白小袖一つ、あつわた(厚綿)の小袖、はわき(伯耆)房のびんぎ(便宜)に鵞目(がもく)一貫、並びにうけ給はりぬ。はわき房・さど(佐渡)房等の事、あつわら(熱原)の者どもの御心ざし、異体同心なれば万事を成(じょう)じ、同体異心なれば諸事叶ふ事なしと申す事は外典三千余巻に定まりて候。殷(いん)の紂王(ちゅうおう)は七十万騎なれども同体異心なればいくさ(軍)にまけぬ。周の武王は八百人なれども異体同心なればかちぬ。一人の心なれども二つの心あれば、其の心たが(違)いて成ずる事なし。百人千人なれども一つ心なれば必ず事を成ず。日本国の人々は多人なれども、同体異心なれば諸事成ぜん事かた(難)し。日蓮が一類は異体同心なれば人々すくなく候へども大事を成じて、一定(いちじょう)法華経ひろまりなんと覚へ候。悪は多けれども一善にかつ事なし。譬へば多くの火あつまれども一水にはき(消)ゑぬ。此の一門も又かくのごとし。
 其の上貴辺は、多年とし(歳)つ(積)もりて奉公法華経にあつ(篤)くをはする上、今度はいかにもすぐれて御心ざし見えさせ給ふよし人々も申し候。又かれらも申し候。一々に承りて日天にも大神にも申し上げて候ぞ。
(平成新編1389~1390・御書全集1463・正宗聖典----・昭和新定[2]1331~1332・昭和定本[1]0829)
[弘安02(1279)年08月"06日""建治01(1275)年08月06日""文永11(1274)年08月06日"(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]