ヴィクトール・フランクル「夜と霧」。
ナチスドイツによるホロコースト
の悲惨な現実を世に知らしめた
不朽の名作。
何年振りだろうか、あらためて読んでみた。
前に読んだときはあまりにも内容が残酷過ぎて、途中で読むの
を止めてしまったのでした。
心理学者であった彼は単に強制収容所の悲惨な実態を世界に
訴えただけではなく、自分を含む捕虜たちの観察を通し、心理学
的側面から冷静に人間心理の分析をしていたのだった。
人間は絶望の中、いかに希望を見い出せるか?
絶望の中、彼を支えたのは愛する妻の存在に他ならなかった。
妻の眼差し、妻の微笑を思い出し、絶望の中でも生きる希望を
繋ぐことができたという。
しかし、その時彼には妻が収容所ですでに殺されていたという
事実を知る術はなかった。
だが彼にとって生きる希望を見出すことに関し、妻の生死は関係
なかったという。
生死を超えた純粋な妻への愛、愛する人間の精神的存在だけが
生きる希望だったのだ。
もう間もなく63回目の終戦の日
がやってくる。
どうか世界が平和でありますように。
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