おととい、ある女性の方からお電話がありました。
自衛官候補生に繰り上げ合格しました
との嬉しい報でした。
当YST関係者では、今月に入ってから女性の繰り上げ合格は2名になります
本当におめでたいことです。
8月末に入隊予定とのことでしたので、これからは特に怪我などしないようにお過ごし下さい。
さて、先日、高3のお子様をお持ちのお父様より、お電話を頂戴しました。
今年の9月に一般曹候補生・自衛官候補生の試験を受ける予定とのことで
・今から勉強しても間に合うのか
・勉強期間にはどのくらい必要か
・他県に住んでいるが、どういった勉強をすればいいか
・教材としてオススメのものがあるか
など、いろんなことを尋ねてきました。
いろいろと相談をされる中で、「一般曹候補生の対策をしていれば、自動的に自衛官候補生の対策にもなるんですよね」とのご質問も頂戴しました。
この質問は本当にいろんな人から聞かれます。
また、「一般曹候補生の試験勉強をしていれば、それが自動的に自衛官候補生の勉強にもなる」と勝手に思い込んでいる人も少なくありません。
特に高3の志願者はこれから勉強する方がほとんどだと思いますし、社会人で転職を考えている方もそろそろ本格的に情報を仕入れ始めることと思いますので、あたらめて説明していきましょう。
結論から言えば、一般曹候補生用の勉強と自衛官候補生用の勉強は別物です。
まずは試験科目・レベルを確認します。
一般曹候補生の試験科目は「国語・数学Ⅰ・英語」
レベルは高1程度。
自衛官候補生の試験科目は「国語・数学・社会」
レベルは中学校卒業程度。
3科目目は、一般曹候補生が「英語」、自衛官候補生が「社会」ですので、全く別に対策をとっていかなければいけません。
この点は問題ないと思います。
紛らわしいのは、数学です。
一般曹候補生の数学は高1程度で自衛官候補生の数学は中卒程度ですので、確かに何の予備知識もなければ、「一般曹候補生の数学を勉強していれば自動的に自衛官候補生の対策になる」と思ってしまうかもしれません。
でも、この2つ関しては全くの「別物」と思って取り組んでいく必要があります。
例えば自衛官候補生では、中学校の図形や確率が出てきます。
でもこれらの内容は一般曹候補生の数学(の過去問)では一度も出たことがありません。そもそも数学Ⅰでは「中学校の図形や確率」を取り上げることはありませんので、これは当たり前と言えば当たり前のことです。
また、自衛官候補生の文章問題には、多くの場合、連立方程式の文章問題が出てきますが、これも一般曹候補生の数学を勉強していたからといって自動的に身につくものではありません。
自衛官候補生用の文章問題をコツコツと解いていく必要があります。
つまり、自衛官候補生の数学は自衛官候補生用のテキストを用意して勉強をし、一般曹候補生の数学は一般曹候補生用のテキストを用意して勉強していかなければいけません。
国語に関しては、どちらも漢字と語句がメインになりますので、この科目に限っては、一般曹候補生の勉強をしていれば自動的に自衛官候補生の対策になります。
自衛官候補生の対策としては、男子であれば、まずは過去問を何年分か解いてみること。そして、自分なりに手応えがあるようであれば、あとは、一般曹候補生の勉強に専念してもいいと思います。
逆に多少なりとも不安がある場合には、基本から勉強できるテキスト等を用意してコツコツ対策を練っていく必要があります。
一方、女子の場合には、採用枠が少ないですので、自衛官候補生と言えども、きめの細かい対策を取っていく必要があります。
国語に関しては漢字と語句がメインになりますので、事前に対策を取ったからといって点数がドンドン伸びるものではありませんが、過去問やそのような類いの問題を数多くこなしていき、出題形式に慣れていければ大丈夫です。
数学は、近年の出題傾向にあった適切な問題集・参考書を用意して、苦手な問題がなくなるまで、何度も勉強しなおしていく必要があります。
そして社会。
地理・歴史・公民の3分野から浅く広く出ますので、高校入試用の一問一答集のようなものを1冊用意して、これも何度も何度も勉強をして身につけていきたいところです。
高3生の中には、早い人だと総体の予選も終わり、部活を引退した方もチラホラと出ているようです。
これまで部活動に費やしていた時間がポッカリと空いてしまい、逆に何から始めればいいのか分からない状態に陥っているかもしれませんが、1つずつやるべきことを確認して、受験体制に移行していければいいでしょう。
来週・再来週に高総体がある方は、最高のパフォーマンスで大会に臨めるよう、頑張って下さい。
目指せ! 自衛官