計画的サイレント | 記録

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12月6日 『計画的サイレント』

あの子が、そう名付けていた

 

今まで、流れに任せて生きてきた私にとって大きな選択をしなければいけない時期だった

 

 

 

今の職場のまま、やっていくのか

違う職に移るのか

 

過去にも、『辞めたら?』と声をかけてくれた人は居たけれど

その声は、私の耳には届いていなかった

 

自分が『頑張ればいい』だけだと思っていて、

穴の開いたシフトを一人で埋め、残業して、連勤もして、たった1人で店を回して

そういう働き方をしていた。

誰かのために・・・・

店のために・・・・

私でも、役に立てているのなら・・・それでもいいのかな?と思い込んでいた

 

11月下旬

『本社の方から、店長候補として名前が上がってる』という話をされた

それを、あの子に伝える

勿論、現状を知ってるあの子は、反対意見だった。店長なんかになったらもっと大変な事になるよ。と

………断る、

が極端に苦手な私は、正直、どうしたらいいのか迷っていた

 

 

その日から連日、話になるのはこの事で

LINEで話し、電話で話し・・・

あの子なりに考えてくれた『計画的 サイレント』

あの子の気持ちは、反対意見で、

それを、私に押し付けるつもりはない、と

一回、1人でよく考えてみて、と

 

どっちの道を選んでもいい

その道を、

選んだ方を、私は応援する

 

それまでは、連絡はしない。

 

 

―ずっと、側にいる―

―大好き―

 

その後、既読が付かなくなった

(見返してないので、こんな感じのLINE、だと思ってくださいあせる泣きそうになるので(笑))

 

辛い気持ちを押し殺して、

私の為に、連絡を絶つ を選択してくれたあの子

 

私は、自分からも連絡することをやめました

一番、私にとって「いい」方法を、あの子が選んでくれていたから

 

 

 

 

―その夜

真っ暗な空間

私の中のいる、誰か(少年だと思うのですが)が

≪お前のせいだ!!せっかく!せっかく!!出会えたのに!!≫

と、蹲って泣き叫んでいました

私は、彼に『ごめん』としか、言えませんでした―

 

 

 

 

 

その後、起こった事

 

 

あの子の顔が思い出せなくなりました。

 

どういう顔で笑っていたんだっけ?どういう風に話していたんだっけ?

記憶を探ると、出てくるんですが

いつもいつも思い浮かべてた顔は、日に日に「消えて」いっていました

 

そのあとに起こったのは、

名前が出てこない。でした

『○○がそう言ってたっけな~』と頭で考えてた名前は、あの子の名前じゃなくなっていました

その名前は十年来の友達の名

 

『誰か』居た

は、覚えていますが、それが『誰か』は記憶から、消され始めてしまっていたんです

(後から思ったのは、「君の名は」みたいだな…と)

 

 

どんどんどんどん、私の中で

あの子がツインレイだと知る前の状態に遡っていて

彼女のことは『作家』という認識になっていました

 

毎日

誰か・・・・・

と、連絡をとっていたっけ??

 

誰と????

 

 

それが日常になりつつあって

誰か、が分からないまま

何かが足りない、そんな日々

 

 

 

 

ふと目にしたTwitter上には

@の付いていない、あの子からの言葉がいっぱい並んでいました

私に向けた、優しい言葉

それを職場で、休憩時間に眺めていた

 

 

物事が大きく変わるのは、すごくすごく怖い

この職しか知らない私には、他の状況が、世界が分からない

断るのも、恐怖

だけど

それ以上に、私の中からあの子が消えていく方が、私は怖い

 

 

どんな道だって、あの子が居れば大丈夫

 

 

 

私の中で意思が固まったその日

タイミングよく本社の人から

『少しお話したいんですがお時間いいですか?』と連絡が入って、お話出来る機会があった。

 

私を筆頭に、店を立て直して欲しい事。今後の事。運営に関しての事。現状。色んな話をして

それを、私は丁寧に断った

 

自分の意思を 伝えられた

 

心臓が

驚くほど早く動いていた

 

 

 

 

 

 

その夜

あの子にLINEを投げた

 

『辞めることにした』

 

 

なんて言えばいいのか・・・・

分からなかったので

たったそれだけの

短い文章

 

 

 

 

その直後、掛かってきた電話

久しぶりに聞いた声

 

戻ってくる あの子の記憶

 

 

 

 

 

「君のことが記憶から消えてしまいそうだったよ(笑)」と告げて