20220822 見上げたモノ | 記録

記録

私たちの記録

 

湖のある場所で、お昼にしようと買い物に出掛けた。

緊張であまり顔は見れなかったけれど、ずっと話をしていた。他愛ない話

電話で話すように…

近く。途切れない声。

側に、居るんだな、という実感。

 

店内で離れてしまっても、なぜかあの子の居場所が分かって、その先を見てしまう。

その様が、おかしいと、あの子は笑っていた。

 

 

 

***

有名な湖。近くにあるベンチに座ってお昼を食べた

蝉の声を聞きながら

まだまだ、蒸し暑い日

 

近くで聞こえる蝉の声に、

私はその姿を探すよう、木の傍まで行き見上げる。

「どこで鳴いてるんだろう?」

あの子は離れたベンチに座ったまま。

 

 

湿度が高く、その日は、曇っていた。

 

木の周りを半周した時だった。

急に周りが白くなって、霧がかかった景色に変わった、ように見えた。

見上げた空は、青く青く晴れわたっていて

「本当に虫が好きね」

耳元で聞こえた声。(あの子は、離れたベンチに座っているはず…)

私は、なぜか上を見続ける事しか出来なかった。

蝉の姿は探していなかった。

ただ、何もない、木の先を見ていた。目が離せなかった。

何を見ているんだろう?

不思議な感じ。

 

 

後日、あの子が言う

―木のところで不思議な感じがした―

私の後ろ姿に泣きそうになった。と。

 

それは、私が不思議な感じがしたのと同じタイミングだった

泣きそうになったあの子と、

そんなあの子の方を振り向けなかった私。

 

何か意味があるんだろうか

それを、思い出さないといけないんだろうか

 

 

 

―――続く

(この出来事を忘れないため ココに記録として残す)