合成の誤謬とは

「ミクロでは、良いことをしていても、マクロでは、悪いことになっている」ようなことです。

 

事業再構築補助金で言うと、「ミクロ:各事業に補助金をだす。マクロ:地域経済では、マイナスになる」ようなことです。

 

事業再構築補助金における「合成の誤謬」

 具体的には、次のような例です。

 ある地域で、焼肉店が競合しあって4店舗あるとします。ある焼肉店が事業再構築補助金を使って新分野展開としてクリーニング店を開店させます。

 ITを使って、競合するクリーニング店に勝てる戦略を引っさげて、参入します。

 既存のクリーニング店は、売上が当然に、減少します。

 そうすると、この地域全体では、経済が向上しないような状況になります。

こういうことを「合成の誤謬」と言われています。

事業再構築補助金

 

事業仕分けで指摘された

 国のいわゆる「事業仕分け」と言われる会議で、有識者から、事業再構築補助金の合成の誤謬について、有識者から指摘されていました。

令和3年度行政事業レビュー(43:30あたりから)

 

地域経済への貢献

 地域経済では、マイナスになることは、ありえますが、国全体ならばどうか?

 国全体では、効果があるから、補助金を出すのであって、問題はないということなので、それほど、問題視するほどのことではないと私は思います。

 しかし、中小企業庁の部長さんは、地域経済への貢献という加点ポイントを設定していることを、その回避策として、答弁している感じが伺えました。

 

まとめ

 公募要領の審査ポイントや加点ポイントの最後の方に、地域経済への貢献中小企業が連携すること、等が記されています。これは、合成の誤謬の回避からも重要です。

 部分最適(自社)+全体最適(地域)の両方の観点から、事業計画書を作成してゆくことが肝要。

  •  全体最適の部分では、販売の相乗効果が図れる連携戦術を実施する。
  •  部分最適の部分では、さらなる生産性の向上策を実施する。
 こういう観点で、事業計画を社長さんと一緒に練り上げて行けば、審査員に響く、事業計画書となるのではないか、と思います。

 

小西豊樹 (Marty#6)のmy Pick