ザ・ゲーム(The Game)のアルバム『ドリルマティック:ハート vs. マインド(DRILLMATIC Heart vs. Mind)』が2022年8月12日にリリースされた。
遅ればせながら、2023年8月に購入したこのアルバムについて、感想を述べたい。
ラッパーの引退・ラストアルバム宣言はまるでアテにならず、前作『ボーン・トゥ・ラップ(Born 2 Rap)』がゲームのラストアルバムとなるはずであったが、宣言は撤回され、新作リリースの運びとなった。
ドリルマティック:ハート vs. マインド お気に入り曲
■メウビッシュ厳選の5曲
- Outside
- Change the Game
- What We Not Gon' Do
- The Black Slim Shady
- Universal Love
30曲中、上記5曲がお気に入り。
iTunes Store で5曲のみ購入しようとしたら、目玉曲の「ザ・ブラック・スリム・シェイディ(The Black Slim Shady)」が個別購入できず。
アルバムとして全曲購入しなければ「ザ・ブラック・スリム・シェイディ」は購入できない仕様となっていた。
商売がうまい。
5曲のうち、鬼リピートしているのが「ザ・ブラック・スリム・シェイディ」と「ユニバーサル・ラブ(Universal Love)」。
令和5年12月27日時点で、前者が40回、後者が55回の再生回数となった。
The Game「The Black Slim Shady」
今回のアルバム『ドリルマティック:ハート vs. マインド』は、なんといってもエミネム(Eminem)ディスの話題曲「ザ・ブラック・スリム・シェイディ」に尽きるのではなかろうか。
出だしからエミネムのモノマネフロウでおちょくっており、罵倒は10分間続く。
途中、会話のスキットであきらかにエミネムのそっくりさんを登場させ、小バカにしており、抜け目がない。
エミネムのフロウ・パンチラインも巧みに駆使しており、よく研究していることがわかる。
ディス曲の醍醐味(だいごみ)、ヒップホップのおもしろさを、改めて感じさせてもらった。
長めの曲だけどザ・ゲームファンには中毒性があり、よくリピートしている。
ギャングスタ・ラップの雄 ザ・ゲーム エミネムへ挑戦
ドクター・ドレー ザ・ゲーム アイス・キューブ
ザ・ゲームがエミネムへ挑戦する資格は、十分あるとみる。
セールスではエミネムに勝てないだろうが、ゲームは西海岸ヒップホップシーンでは誰もが認めるレジェンドであり、かつてエミネムとはデビューアルバム『ザ・ドキュメンタリー(The Documentary)』の「ウィ・エイント(We Ain't)」で共演した仲でもあった。
ドクター・ドレー(Dr. Dre)プロデュースでデビューという称号は、業界ではノーベル賞級の栄誉だとみられ、両者はその数少ないヒップホップアーティストでもある。
エミネムディスは、キャリアを重ね、自信を深めたということなのだろう。
ヒップホップの巨人、先輩格のドクター・ドレーとアイス・キューブの肩に手を回す、ふてぶてしい大物感もゲームならでは。
The Game「Universal Love」
ジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)の曲「ゴット・ティル・イッツ・ゴーン(Got 'Til It's Gone)」のネタ使いが秀逸で、クセになる味わいがある。
ゲームが最終パートのラップで、ノリノリでビートを完璧に乗りこなしているライムが、聴いていて心地よい。
まとめ
西海岸クラシック『ザ・ドキュメンタリー』の発売(2005年1月18日)から19年が経とうとしている。
当時も今も、ザ・ゲームには魅了され続けている。