児童羽交い締め無罪、体罰と指導の線引き難しく…「踏み込んだ議論が必要」(読売新聞オンライン)
#Yahooニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/ddc129fa0d6491a2d7a2b93eb07e47ed742de2aa

 過去に私も何度も子どもを羽交締めにして制止したことありますけども。

 どうしても暴力に訴えたり、パニックで暴れたりする子はいるわけで。

 担任目線の調査では、クラスに8.8%の児童が何らかの発達障害や精神疾患をもっていると考えられると言われている通常級。

 その中には衝動性で暴力に走りがちなADHDの子や、パニックに陥りやすいASDの子がいるんですよね。

 私も若い頃は発達障害の理解が疎くて対応が疎かになり、適切に対処できなくて横暴なことをさせてしまったこともある。

 それに担任との相性や他の教員との相性で突発的な出来事に陥ることもある。

 わりと理解を深め始めていた若手時代にも、ADHD(と、歴代の担任団の説得に折れた保護者の方が検査させて案の定の結果を出した)の子が落ち着いて過ごせていたものの、最終的には、年度末に環境の変化(クラス変わって友達や私と離れるのが怖いとのこと)によるパニックを起こして自傷行為。それを抑えるためには支援員の声掛け(教室外でクールダウン中の見守りをしていた)や私の声掛けだけではダメだったからと羽交締めにしたけれど。その時に手の甲や手首に一生残るかも? レベルの引っ掻き傷を負った。

 そのことを話しても、保護者の方は「はあ、そうですかあ。」としか言わない。

 特性のある子が兄弟でいたもんだから大変で現実逃避したかったんだろうなあと思うけど、傷の治療費は出なかった。病院も行ったし、高い絆創膏を使うことを勧められて使っていたし。

 これで、「そんなの自業自得だし、むしろうちの子が怖い目に遭ったから訴えてやる!」なんて、この件と同様に裁判沙汰になったら経歴にも傷がつく。弁護士費用もかかる。精神的にも傷がつく。人によっては心が折れて、休職か辞職するかも。

 子どもを羽交締めにしなければならない状況ってたくさんある。学級崩壊しているクラスなんか、余計にそういう暴れるタイプの子が出るんだっていうのも間近で見たし、フォローで対象児童を何度も羽交締めにして別室に連れて行ったりした。それもこれも、その子自身を加害者にしないためと、被害者を出さないための指導。

 それなのに、なんでもかんでも体罰〜っていう保護者の声が大きくなったな、というかメディアがこぞって、教員の立場を貶める報道をするようになったなって思う。

 そうすると0.1%の「そりゃ批難されてもしかたない」という異常な教員がいる傍らで働く通常のがんばっている教員までもが立場を貶められて、保護者や児童生徒に対して異常にへりくだって対応しなければならなくなる。

 だから期待したいのは、次の参院議員選挙で当選した人たちが、教員の立場を向上させるような政策を行ってくれること。

 といっても、教員の母数を考えると、それよりも保護者層や投票率の高い年配の方層にとって響のいい謳い文句を掲げている人が当選していくんだろうし、実際の政策でも、ソッチが最優先されていくんだろうなあ〜と期待薄。

 とにかく、メディアはもっとポジティブなことを発信してほしいなって思います。ネガティブで劇的なスクープの方が、読者ウケがいいと思っているから、聖職者〜なんて言われていた教員をこき下ろす記事ばかりになるんだろうけど。

 そういうメディアへの対処もしてほしいなって思います。