最近のお子さんの名前を見ると、十ウン年前より、分かりやすくて当て字のない子が増えたなって印象です。

 昔はほんと、今でいうキラキラネームがすごくて・・・一年生を受け持つ時、最初に公的記録としてお子さんの氏名をはじめとした資料が市からデータで送られてきて、それに合わせて氏名印を作ったり名簿を作ったりラジバンダリするんです。バタバタです。

 で、この時に、例えば「叶鳴類」みたいな、そんな名前のお子さんがいたんです。

 それに振られている名前のふりがなが「かーる」だった。でも、漢字的に、「鳴」の部分を「な」にしているのでは? と思い、市を介して保護者に直接確認を取ってもらったら、案の定、「かなる」って名前だったということがあって。※例え話ですよ!

 市の担当者が入力を間違えたのか、保護者の方が間違えたのか。どちらかは分かりませんが、そういうことがあって、「気づけた自分グッジョブー!!」と思いました。一年生ですから、校内の色々なところに貼る名前シールがひらがなになるので。印鑑代なども無駄にせずに済んだ。

 当て字だと、まあ自分の支給されているパソコンに予測変換を仕込んでおけばいいかもしれないですけれど、どちらにせよ一発変換できると事務作業的にも助かる。あと、当て字にするような名前って、上記のような、難解な漢字を使うことが多いから、お子さんがいつまで経っても自分の名前を書けない。周りの子も覚えられない。

 これ、大人になってからもそうで、「なんて読むんだ?」ってなっちゃうわけで。だから、よく巷で言われる、人事採用の人が「キラキラネームは書類の時点で落とす」ってなっちゃうんだと思うんですよね。保護者の方に教養や一般常識がなさそう&そのお子さんも然り。みたいな。

 私の名前も、当時にしてはちょっと珍しいけどパソコン入力すれば、一発で出てくるような名前です。

 命名は父でした。

 毒な母は、存命中の飼い猫と同じ名前をつけようとしていました。

 「そりゃないだろ。」と、消極的な父もさすがに思ったそうで、苗字との相性を見ながら名付けたらしいです。

 毒母は学生の間、ずっと「あの名前がいちばん素敵だと思ったから名付けたかったんだけどね〜。」と言っていましたが、私が小学校中学年になるまで生きていた猫なんですけど。家の中で名前を呼ばれるたびに、どんな顔すりゃええってのって話です。

 名付けって思い入れある行為だと思いますが、妊娠中や出産後はハイになってしまって、とんでもない名前を提案してしまうことがあるとか。

 きちんと落ち着いて、社会で浮かないかどうか、その漢字に忌み言葉や海月(くらげ)みたいな、違う意味があったとか。そういうところをしっかりと調べてあげて欲しいなって思います。

 もちろん、時代によって名付けの雰囲気は変遷していきますので、いまの時代に「〜之介」とか、「平八」とか、「梅」とか。そういうシワシワネームが合わなく感じるのと同じように、10年後にはまた別の名前がヒットするようになる可能性はあります。

 でも、「〜年前はこういう感じの名前が流行ってたから当たり前だよね〜。」という程度で済ませられる問題だと思うので、今を生きる時代に合った名前であってほしいなって思います。

 あと、パソコンで変換できる。これって一つの指標だと思います。普遍的な名前だけど、その子らしい、または親の願いを込めた漢字なんて、世の中にはたくさんの字があるのだから可能ですよね。せいぜい、「翔」と書いて「かける」なのか「しょう」なのかどっちかな? 程度であってほしい。と、個人的に思っています。