給食の時間が教員の休憩時間になっている問題がありますが、そんなことできないくらい大変なもので。いつも気を抜けない。気を抜けないなら、少しは気を抜けるシステムを作ろうと、過去の反省を活かして作り上げていきました。
・・・配膳はこのような流れで行いましょう、という研修がないのも、ちょっとな〜と思いますけど。おそらく教員それぞれが独自に給食の時間を考えています。
失敗談①
アレルギー発症に気づくのが遅れた。
一年生だったか二年生だったか。元々、好き嫌いが多い子で、食べるのも遅かったです。でも、負けず嫌いなのか真面目なのか(残さないようにする)という信念があったのか、「それは苦手なやつでしょ。一口でいいよ。」「まだ食べる。」という感じで、ご馳走様の号令まで粘っている子でした。普段も頑固なところはあるけれど、真面目だから、尊重するか・・・と見守っていたのですけれど、突然、吐き戻してしまったのですよね。それで、ゲホゲホと咳をしていて。その子は喘息持ちだから、咳をするのもよくあることだったから、「大丈夫? トイレには間に合わなかったけど、机は汚さなかったのね。がんばったね。片付けるね〜。」と、吐いたものを処理しつつ、「給食、どうする? 気分悪いだろうから、もうやめる?」「ご飯は食べる。(咳は止まってた)」「そっか。お腹になんも入ってない方がこの後気持ち悪いよね。他のものは食べられるだけにしときなね。他に具合悪くない?」「ちょっと胸は気持ち悪い」「うーん。じゃあやめとこっか?」「ううん。食べる。」
と、体温を測っても高くもないし、咳も一旦は止まったしで、本人も意識がはっきりしている感じだったので、「(本人がそう言うなら、そうさせるか・・・。)」と、「頑張り屋さんだね。じゃあ、ねんのため、机はみんなと違う向きにさせてね。」と、座席の配置だけ変えて食事を継続させました。
ところが、その後すぐにまた嘔吐。しかも、結構な勢い。「(これはアレルギー反応か? でもアレルギーはないはずなんだけども)」と疑問に思いつつ、第二弾が激しいし酷く咳もしているから「ちょっと保健の先生呼んできてくれる?」とクラスの子にお願いして呼び、「もういっそ吐けるだけ吐いちゃおうね」と背中を摩りながら「(蕁麻疹は出てないな〜顔は赤くなってるけど、吐いていて苦しいからかもしれないし〜でもこの吐き方はちょっと変だよな〜喘息のせいかな〜?)」と悩みつつ、到着した養護教諭と一緒に嘔吐物の処理をしつつ、当該児童は吐き切らせてから保健室に移動させて、後片付けを近隣のクラスの先生にお願いして子供たちに指示を出してから保健室に行くと、当該児童はぐったり。
養護教諭と「一度吐いてから、まだ食べるっていうので食べさせていたら、今度はかなりの量を吐いた感じで。咳が酷くてアレルギーっぽい反応でしたけど、どうなんですかね。もともと喘息持ちではあるんです。」「(脈を計りつつ)うーん。何かにアレルギー反応を起こした可能性はありますよね。今は落ち着いていますし、救急車の必要はないと思います。保護者の方を呼びましょう。」
となって、お母さんが到着。かなり腰の低い方で、「お手数おかけしてすみません!」という感じだったのですが、「いえ、こちらこそ、最初に吐いた時点で止めておくべきでした。今は落ち着きましたけど喘息もありますし、この通り意識ははっきりしていますがぐったりしています。何かのアレルギーの可能性がありますから、病院へ行っていただけますか?」と促して、病院へ行ってもらうと、放課後に「◯◯(給食に出ていた食材)アレルギーの可能性があると言われました。今は元気にしています。本当にありがとうございます。」「いえ、そうおっしゃらないでください。最初に吐いた時点でちゃんと止めるべきだったのに、食べたいという言葉の方を優先してしまいました。申し訳ありません。」「いえ、家で食べさせたことがなかったのがいけなかったんです。申し訳ありません。」
と、申し訳ありませんの合戦になってしまいました。低学年だと特に、まだ触れたことのない食材もあるから、アレルギーをいきなり発症する可能性があるんですよね・・・。よくよく考えると喘息持ちなら、アレルギー体質だろうし。それに、食べたことがあるものでも、急に発症することもある。それに、低学年だと判断力が低いので、自分の状態をちゃんと把握していないこともままある。だから、「子供がそう言うなら」で尊重してばかりじゃダメだなと思いました。命に係ることだから、かなりビビった事件でした。
失敗談②
皿が割れて縫うことに。
言い訳になってしまうと、前任校が割れる可能性ない樹脂製だったかアルマイトだったかのお皿だったんです。それで、次の勤務校では、強化ガラス製のお皿でした。
おぼんにお皿を乗せて運ぶスタイルだったのですが、低学年のお子さんがうっかり落として割ってしまい。跳ね返ったガラス片で足を傷つけてしまいました。他の子達の安全を確保してから、すぐに保健室に移動させて養護教諭に見てもらうと、「あ〜、これは縫わなきゃダメかもですね・・・。」と。「(ひー。ウワサではクレームがすごいというご家庭なんですけど!)」と慄きつつ、でも背に腹はかえられぬ、ということで、保護者に連絡。意外にも、「うちの子がどんくさかっただけですから。お気にせず。」と、仕方ないと受け入れてくれましたが、「いえ、片付けなどの動線をもっと工夫すべきでした。そこに至らず、傷が残ってしまうような怪我をさせてしまい、申し訳ありません。今後はこういったことがないようにいたします。」と謝罪しました。前の学校と同じスタイルでやっていたのがよくなかった。
以降はおぼんにのせて運ぶ際も、流れを一方通行にしたり、片付ける時は必ずお皿とお盆を別々に運ぶようにしたり、片付ける時に混み合わないように、食べ終わったらすぐに片付けるスタイルにしたりと、反省を活かして配膳のスタイルを変えることにしました。
それでも、高学年でもお皿を落として割ることはある。すかさず「動かない!」と叫んで、本人と周囲の子に怪我がないか確認してから、「先生、片付けましょうか?」と言う子にも「ありがとう。でも危ないから、これは先生がやるね。ちりとりとほうき持ってきてくれる? あとゴミ袋も。うっかり割っちゃうのは誰でもあることで仕方ないから、次はないように気をつけていこうね。」と指導して、片付けるようにしていました。
こういうことがあるから、栄養教諭に「割れない食器に変えられませんかね?」と要望を出すのですけど、予算や品質などのもろもろの事情でできないとか。樹脂製なんかも、使っているうちに危険物質が出てくる(ほんとか?)と、嫌がる保護者の方がいらっしゃるらしいです。科学的根拠はあるんだろうか・・・それよりも、私は子供に傷を残す方が怖いです。目を傷つけてしまった事例もあるらしいですし。
こういう失敗の積み重ねで、食べられないけど頑張っている子には「がんばるのはえらいけど無理しすぎないで〜。次から、最初に減らす量を多めにしておいて調節しようー。」と声をかけて、極端に食べられないような子を把握していったら配膳時に「もっと減らす。」と指示を出したり、心身の関係で少食の子には「他の子にも伝えていい?」と確認をとって、「◯さん用にして〜。」と超少なめスタイルにしつつ「これは◯さんも好きなやつだからちょっと多めにする?」と確認取ったり。
今年度はどうかわかりませんが、前年度まではコロナの影響で前向き給食になっていたのもあり、私から全員の顔や様子がわかりやすくなっていたのはアレルギーチェックとしては助かる配置で、様子を伺いながら、苦い顔して食べている子に「プチトマトはちょびっと齧る程度でいいからー。全く食べないより少し食べるだけで今後食べられるものが増えるよー。」と食育しつつ、体調不良者がいないか確認していました。
幸いにも、アレルギーを持つ子を預かっても、宗教関係で食べられないものが多い子を受け持っても、以降は特に問題なく過ごせるようになりました。
しかし、皿を割ったのは他のクラスでもやっているやり方だったから仕方ないにしても、アレルギーに気づくのに遅れたのは致命的でした。幸い、軽い症状で済んで良かったですが、給食の時の子供の言うことを無闇に尊重しない。という反省になりました。
とにかく、事故事例の多い強化ガラス製のお皿は早く別のものに変えて欲しいです。アルマイト製は聴覚過敏にはきついものがありますが。