通知表は法定上でも、年に一回、年度末に出しましょうね〜ってきまりがあります。

 けれどコレ、かなり形骸化してきていると思います。

 特に所見欄。文章で表記される部分ですが、めっちゃくちゃ手間取る手順があるせいで、ほんとうに書きたいこと伝えたいことができていないのが現実。

 手順としては、人や学校によっても多少異なると思いますが、

①どこまでの単元(学習範囲)を対象にするか決める。

②英語(高学年は評価)や総合的な学習の時間の所見は、どのような活動をしてどういったことを学んだか的な内容にして文章作成。
→英語は今までの活動してきた内容をもとに(授業計画書がALTから渡されているので、休んでいる時のことを書かないようにだけ気をつける。)、やっていることみんなほぼ一緒なので、同じような文になる。
→総合的な学習の時間は、各自が調べた内容についてどのようにまとめたとか、発表したかとかをメモっておいて、それをもとに「〜について・・・と発表することができました。」的な所見にする。

③道徳はややクセが強い文を書かされる。
→基本、「〜ができました。」とか、達成したことについて言及するのはNG。できるようになったかどうかは、道徳は心の内面の話なので、「どういうことをしてどんな感じだったか」的な文にしなければならない。教科化の導入時の研修会でも「なんじゃそりゃ」と、今までにないやり方だったので、ツッコミに溢れていた。研修担当者も例文を明言しないので不満たらたら研修だった。要するに「誰も正解が分からない」状態で導入。

④総合所見は一番いい成績から。
→国語算数理科社会(生活)音楽体育図工に評価をつけて、ABC(たいへんよくでにました〜がんばりましょう)の数が一番多いところから所見を書く。「〜では・・・を行い、〜ができるようになりました。」といった感じ。また、Cがついた場合、それとは別に「〜について・・・といった指導を行いました。」という文を加筆する。
→ABCの付け方は、知識理解&思考判断はテストで90点以上〜でA、60点以上でB、それ以下でCが基本になってくるれけど、回収したノートの内容をみて評価付けしておいたり、観察記録に書いてある内容をみて理解度や表現力を見たりする。図工が難しい。細やかに丁寧に作成しているとか、発想力があるかとか。主体的については、テストでも評価できる部分(カラーテストの裏面)があるので、そこも考慮しつつ、授業中の態度(発表しているかとか、話し合い活動で積極的かとか、ノートやワークシートに努力の後が見られるかとか、体育だと指示されている危険行為を行っていないかとか)で評価。これらをA A A B B A Cと書き溜めておき、「この場合は総合的にみて B( A)だな。」と総合評価して、とりあえず Bで入力。

⑤絶対評価なのに相対評価。
→クラスごとに「◯先生は評価が甘い」ということにならないように(そんなん、クラスの実態によって変化すると思いますけどね〜。)、全教科全項目で Aや Bが何人かを確認し、「◯先生、理科の理解度が A20人は多いので、15人前後にしてください。」と、ちょーめんどくさい会議を行う。だから、「 A( B)」としていた子をBに下げて微調整を行う。そんなんいらなくね? 絶対評価の時代になって何年経ってんのよ? 年度初めはクラスの学力レベルは均されているかもだけど、学力を引き上げられるか引き下げてしまうかはその先生によるんじゃないの? ・・・という不満を口に出さずに悶々としながら成績調整し、それによって総合所見を変えなければならないことも。

⑥その他の欄を埋めていく。
→学級でどんな係や当番を行ったか、表彰されるようなことがあったかなど、これらを入力。これも学年で書き方を揃えなければならない。たとえば決まりで「運動会リレー選手」と書いてね、って資料にあるのに「大運動会リレー選手」と書いていたら直す。文頭下げしているかもチェック。文末表現もチェック。

⑦管理職チェック。(その前に学年内でも回してチェック作業がある)
→もともと所見ではこのような時はこのように表現してください。という文書が配られており、「できました。」✖︎→「出来ました。」◯ みたいな、ちょうどうでもよくない? という表現の仕方や文章内容に不備がないかなどをチェックされる。管理職2人以上でチェックされるので、だめでしたーのページに付箋を貼られて、「ここは〜」と指摘される。管理職もただでさえ全学年全クラス文見なきゃならなくて苦行だろうに、なんでそんな負を背負い込む・・・。

⑧訂正し、今度は配付用の用紙に印刷して再度チェック。
→これ以上管理職を疲弊させるな・・・と思いつつ、子供達に渡る際の硬い用紙に印刷した状態でチェック。訂正箇所があればまた直して、それで一応完成。昔は配付日前々日くらいに、校長や担任が印を押すという作業もあった。その時点での出欠席内容も記載しなければならず、その後に欠席があれば改めて印刷して、印を押してもらいにいくということがあった。

⑧要録作成(絶望)。
→前期後期(三期制ならいずれか)に書いた内容の所見を箇条書きで文末表現を常体にし、表彰内容も一部記載して、前期後期の評価を総合して評定を入力。
→これも学年チェック、ブロック(一年は六年と、二年は五年と、三年は四年と)チェックした上で、訂正箇所があれば直す。
→作成が終われば印刷し、金庫保管。五年?十年?だか、法定で保存期間が決まっている。でも、十年以上教員やってきたけど、コレ必要になるような事態になったことがない。だって犯罪者が出ました〜とかでもない限り、出すことのない文書だもの。進路にも、私学受験する子には要録とは別に(内容はほとんど同じだけど)文書を作成するけれど、以降は使わない。小学校での要録が高校大学で必要になることなんてない。だから犯罪者が出ましたってくらいにしか使わないんじゃないの? 幼少時の心理状況を判断する材料にするくらいじゃん? という感じ。

⑨子供に配付。
→「他の人と見せ合いっこするものではありません。一人一人、君たちとその親御さんのために作ったものです。友達と比べる意味はないし、 Aが友達より多かった少なかったで喜んだり悲しんだりする必要はありません。だから、廊下で先生から渡されて一言伝えられたら、後ろのドアから教室に入って、そこで内容を確認したら、そっと机の中にしまって持ち帰るようにしてください。何か間違いがあれば、直しますので、すぐ伝えてください。」
 と子供たちに指導を入れて、配付。書き忘れていたけれど、生活態度の◯をつける部分(責任感があるかとか、自立しているかとか)のところも、◯をつける数は学年で2個〜3個とか決められている。所見の内容と被るように決めつつ、できたらたくさんつけてあげたいので、子供のことを頭に思い浮かべて「こーいうところあるよなー。」で◯をつけている。これも要録につけなけれらならない。私はどんな子でも△を付けたことがないからあまりわからないけれど、つけられたらよほど生活態度が悪かったのかもしれない。個人的には、発達障害とかでどうしようにもないところがあってできていないから、つけないわけだけど。△がついていたら、所見にもなぜつけたのか書く必要があるっぽい。

⑩子供が帰宅後、保護者の方から〜が違うなどといった指摘がないか、ガクブルしている。


 かなりざっくりと書きましたが、こんな感じで通知表と要録作りがあります。めちゃしんどい。しかも、不憫(当時の私も)だなーと思うのが、通知表作成時期は短縮日課になりますが、若手の子達はそれより前のスケジュールで進めなければならないんですよね。提出日が若手以降とではズレがある。若手の子の方が要チェックしなければならないから、という管理職の理由があるんでしょうが、夜な夜な作成しているのが不憫。私も中堅になったからといってミスとか全然ない〜ってことはないんですけど。それに、文章表記の仕方は、きまり以外に管理職の嗜好によって変わってくるから、前の校長なら通っていた文でも、違う校長に変われば「こういう文にした方がいい」と変えられてしまうことも多々あり。

 そんなふうに頑張って苦労して作った所見も、保護者の方に「ぶっちゃけ、所見は読まないですね〜。」と言われたことがあるので、うんざり加速します。私だって、あんだけ擦られまくった当たり障りない文章に意味があるんか!? と言えばないよ! と思いつつも、たくさんのしがらみを乗り越えて作ってんじゃい! と思ってんだよ!

 だから、もう評価だけでよくない? と思いますね。年に一回だけ出せばいいところ、未だに学期末ごとに出しているところもありますし。しんどいだけ〜どんだけ〜。

 要録だって、いるか!? わざわざブラッシュアップしてさあ! 通知表のデータが残っていれば、それでいいじゃん! 今どき、紙媒体保管なんて流行らないよ!

 と、無駄だなー。なのに労力だけは立派だなー。と思う仕事の一つです。



 蛇足。


 休職だから、入っている保険で何か適応されるものないかなーと、昨日、今まで取り置きしていた書類整理しつつ発見した保険の書類(学校にきた保険屋に勧められて入ったもの)をみると、傷病休職給付金に加入していることが分かって。コレ私にがっつり対応してるよね? と思って、電話してみたら、対応していると。休職(療養休暇も含めて学校を休んだ日から)から91日目に適応される、月々七万円ももらえるもの。


 なんやこれー! と、電話しながら思いつつ、書類提出等の手続きについて電話待ちになりました。


 私、休職に入ってすぐに、ここに電話していたんですよね・・・。「休職することになったんですけど〜適応される保険入ってますかね〜。」って。


 当時はまだ休みたてだったから、91日目制約のせいで言わんかったのかもしれないけれど、「入ってませんねー。」って返答だったんですよね。いやいや、入っとるやん! と。


 ちゃんと書類管理していてよかった・・・じゃないと、せっかく掛け捨てで払っている保険が無駄になるところだった。


 月に七万て大きいですよね。ただでさえ休職中で、収入が減っているのに。手取り27万? くらいだったんですけど、いま手取りで18万まで減っていますから。(金額はざっくりとコレくらい)


 これから休職が進めばどんどん減るから、ペアローンや医療費(自立支援制度使っているけれど、メインの病院に通うのに交通費というか駐車場代が六百円くらいする。お薬代も適応されるけれど、それと別に持病あるから。)もかかるし、減額しているとはいえ共同貯金の入金もあるし。日頃の生活費も、夫が多めに負担してくれているとはいえ、スキンケア(夫も使う)などでお金が飛んでいく。そもそも浪費癖があるし。しかも、ヘビースモーカーだから、引きこもっているとタバコも増える。勤務していたら、日中は吸わないし、寝るのが早い起きるのは早いと、吸う時間もあんまりないから。


 だから、七万入ってくれたら助かる。そうしたら、現役よりやや少なめ程度の収入になるから。


 ああ・・・ちゃんと書類発見できて良かった。手続きはちょっと面倒だけど、これで少しほっとしました。私の貯金が目減りしていく一方だと思っていたので。