ちょこちょこ話題に上がることがある、子供のスマホ問題。

 たとえば、アプリゲームに課金してしまったり、スマホ中毒になったり、といったこともありますが。

 学校を絡ませてくるトラブルといえば、LINEや Instagramのようなメッセージアプリや動画アプリによるトラブル。

 個人情報漏洩させたり、メッセージという言葉のやり取りで行き違いやいじめ問題が勃発するという。

 実際、現場でも、トラブルに遭遇しているところは見てきました。

 でも、そのトラブルを学校に持ち込んで解決させようとするのは、違うんですよ。

 だって、LINEは推奨年齢が12歳以上から。iPhoneユーザーで機種の設定年齢が12歳以下だと、活用できません。Instagramも13歳以上。普通だったら、小学校でそんなトラブルが起こり得るわけないんですよ。

 私は中学から携帯電話(いまは古きパカパカ携帯)を持ち始めました。でもそれは必要性に駆られたから。

 親が放任すぎて、旅行先から帰宅する際の羽田空港の搭乗口で置き去りにされた事件があったもので。こういう非常事態に連絡する手段がないと、マジで困ることになる。と実感したからこそ、親に購入を要求した。塾にも通うように(数学が酷かったので)なり、ど田舎だから、連絡を取る手段がないと困りますしね。

 でも今は子供にスマホを持たせるなんてのが当たり前になりつつある。一応、勤務校では、「学校にスマートフォンやキッズケータイを持ち込むのであれば、登下校中に使用しないことを了承した上で、校内ではランドセルにしまっておくことを承諾していただく。そのための許可証を提出していただきます。なお、故障や紛失等の責任は負いかねます。」と、単純に誰がどれくらい持っているかの把握のための文書があります。

 あとは、牽制ですね。登下校で歩きスマホされたら危ないし。あくまでも、GPS機能を活用してくださいねってものとして扱うことを推奨しているだけです。

 これは定期的に実施する、いわゆる「いじめアンケート(正式には学校生活アンケートみたいな名前)」でも、スマートフォン等の電子機器で(今時はゲーム機でもメッセージのやりとりができますからね)嫌なことを言われたことがありませんか。or嫌なことを言ったことがありますか。といった聞き取り調査もあります。

 でも、この文言があること自体が、本来はおかしいんですよね。イイ歳した大人でも、メッセージアプリでトラブルをおこしてしまったり、動画投稿などでトラブルを起こしてしまったり、っていうのは定期的にニュースになっています。

 だから、対象年齢が小学生はダメですよ〜ってなっているのに、「うちの子がラインで悪口言われています。どうにかしてください。」って学校に解決を持ち込むことがあるんですけれど、じゃあどうしてお子さんはラインが使えていたんです? というお話でもあって。他の加害者であろう子たちも、なんで使えるの? と、謎で。

 小学生でこういったトラブルが毎年のように出てきますから、だから各アプリ会社は対象年齢を、最低でも中学生からってやっているのに。それを守らないから、そんなことが起きちゃうわけですよね。

 突き放すような言い方になってしまって嫌な感じかもしれないけれど、ルールを守らず、学校外での出来事において、学校が責任をもって対処にあたる必要性は全くないと思います。

 そんな危険性からお子さんを守るのは保護者の方々の役目です。学校はタブレットは(イヤイヤだけど)配付しましたが、個人でメッセージのやりとりができる仕様にはなっていません。担任が投稿されたメッセージを必ず見られるようになっています。

 スマートフォンを買い与えたのは保護者の方。だから、それを扱う上での危険性は重々承知しておかなければならない。

 スマートフォンを販売している会社も、対象年齢に対応をきちっとしてくれないといけない問題ですよね。誰が使うのか。本当に必要なのか。こんなトラブルが想定される。それでも購入するならば、年齢設定で使用制限をすべきであると。

 中学以降から買い与える際も、必ず保護者の方の抜き打ちチェックができるようにしてほしい。保護者の方のスマートフォンと連動するようになっているとか。それだけで十分トラブルの抑止力になる。

 子供の悲惨な事件もあるから、持っちゃいけませんよとは思わないです。でも、持たせるならキッズケータイだけで十分。GPSと、家族とだけメッセージのやりとりができるものでオッケーです。じゃないと、子供から依存症になったり、不適切な使用の仕方をしたりしては、保護者の方も大損くらいますし、お子さんの安全も守られない。だから、キッズケータイは推奨するけれど、スマホは部活動が本格化して自立していく中学から。でも、保護者の方が費用を出している、養っている間は、お子さんのものは保護者の管理下にあるべき。

 そうすることで、ラインいじめとか、課金問題とか、そういうトラブルから解放されると思いますね。全国一律で統一して取り組んで欲しいと思っています。


 今日の蛇足。「ぷにぴあの」という、小さいお子さんがピアノで超絶技巧を見せるYouTuber動画を見て、思い出した思い出。


 色々な行事が学校ではありますが。私が若い頃に受け持った一年生のクラスで、「ベートーヴェンの生まれ変わりか?」ってほどにピアノの達人の子がいました。まだ背が小さくて、足はペダルに届かないものの、リクエストしたら耳コピでなんでよ弾けちゃいます。


 6年生を送る会だったかな。学年で、とある曲に合わせて簡単なダンスをさせつつ、6年生担任のネタ(事前に許可をもらって)でお笑い系の思い出エピソードをやろう。ってなった時に、「うちのクラスの◯さん、ピアノめちゃんこ上手いから、BGM役に推薦します。」って提案したものの、本人は寡黙だから目立つのイヤかな〜どうかな〜と「6年生を送る会でこういう曲をこんな風にやりたいんだけど、どう? やってもらえる?」と提案したら、おずおずと「できるけど、でも、グランドピアノは足が届かない・・・。」というもんだから、「そっちは先生に任せて! ◯さんみたいには弾けないけど、音楽やってきたから大丈夫! ◯さんが弾いてくれると、CDで流すよりすごいってなるし、おもしろいし、みんな喜ぶよ!」と励まして、「それなら、先生と一緒にやります。」と言ってくれたもんで、ペダルと音楽を入れるタイミングや切るタイミングを指示して、共同作業で取り組んだ思い出があります。一緒にがんばった感が楽しくて、こちらとしては良い思い出になりました。一年生だというのに、あんなにもバランバロンと弾けて、ほんとーにすごいもんだと感心しました。今はもう成人もしているでしょうが、音楽系の道に進んだのかな。どうなったのか気になります。