いわゆる中教審で文科省(文科相)に物申すわけですけど、こういうのってほとんど通らない。
答弁でも、最近よく問題視して挙げられる「残業代が出ない」だとか「給与が仕事内容に見合ってあない」といった不満についてですが、この「残業代」って面は「調整額」があるのですけれど、まー雀の涙。朝は始業時間前に子供が登校してくる。なのに門は開かれる。運動会シーズンはリレー練習、競技大会では各競技に合わせて各学年から一人以上出して指導。それらに対して手当ては出ない。警報が出ていても、問答無用で教員は駆けつける。メール配信で「登校を控えてください。臨時休業です。」って送っても、見ていないのかどうなのかわからないけれど、子供が何人もやってくるから対応に右往左往。部活動も朝練がほぼありで、1日4時間以上の指導で2400円くらいの手当てだったかな? 逆に言うと、4時間以上活動していないと、手当ては出ない。時給600円? あるかなくらい。遠征や部活計画の作業の時間は対象外。1ヶ月でだいたい2〜3万円くらいになるかなぁ。って言ってた。私も若手の頃はサブで顧問もったことあるけれど、朝の四時から帰りは十八時とかね。本心から希望してやってるって教員はほぼいなくて、校務分掌として強引に割り当てられている。って感じ。
これらの問題点について思うのは、やっぱり
①朝の子供達対応のために、独身やDINKSなど育児世帯じゃない教員は1時間以上早く出勤する必要がある。
だから必然的に、私も昨年度までずーーーっと病気だろうが最低でもこんだけ早く通勤していて、それでいて手当ては何もなしなんだよね。昨年度なんて、小さいお子さん育てている学級担任のクラスが崩壊していて、次から次へと前年度まで落ち着いていた子たちが発達障害の二次障害を勃発させまくっちゃって。その対応にてんやわんやよ。「メイ先生ー! ◯さんが机や椅子蹴り飛ばしています!」「メイ先生ー! 今度は⬜︎さんが暴れています!」ってな。朝の支度に追われているのに、なんもできない(早退とかせざるを得ない体調だったから、朝のうちに出来うる限りのことをしていた)。若手の頃なんかは、毎年のように新しい学年を受け持つから、教材研究(家にも教科書持ち帰って計画を立てるけど、必要な材料は学校じゃないと用意できないからね)のために6時半とかに出勤していた。こういう、謎の朝の時間帯の責任が確保がされていないよなって思う。トラブル起きたら、教員の責任になるんだもんね。なのに、昇降口(子供の玄関)を開けるのが、一階の教室の担任に振り分けられていて、過敏性腸症候群のときは「すみません・・・腹痛で間に合わないかもしれないです。」と、教頭に電話入れることもあったよ。朝の業務として割り振られているなら、手当てがあって然るべきじゃないのかな? 昇降口でドンドン扉叩く子供達の指導なんかもしなきゃだったから、けっこーしんどかったよね。「扉壊れちゃうからだめです! 一歩下がって! やめてください!」「おはようございます!」ってね。
②部活動の地域移行が進まない。
部活動も教員がやるっていうのはおかしいと思うんだよね。上記のように、部活で担任不在のクラスでトラブル起きたら同じ学年の別の教員が対応するし、放課後も指導で学年の仕事を抜けるわけなんだよね。そして休日も全部潰れる。よくまあそこまでやれるよ。って思うよ。私もフルで顧問を持っていたらと思うと、ゾッとする。しかも、経験のないスポーツなんかの指導者になることもあるし、適切な指導ができなかったりしたら保護者の方から「あれってどうなの〜?」とか言われちゃうし、怪我とか熱中症とか起きたら散々責められちゃうしね。これは賛否両論で、私の中でもどうなんだろーな。と思っていることだけど、顧問が私のキライな人だったんだけど、まー挨拶の声が小さいということで。見学の保護者にも挨拶しないとかで。「そんなんで子供にきちんと指導できるんですか!」って責められているのは、どうなんかなー。と思ったかな。確かにちゃんと挨拶はすべきだとも思うけれど、でもあんな手当てで、フルで仕事した後に更に顧問として指導するってのも心身が疲弊するよなあって。今、ニュースでは「市の職員を活用しよう」みたいな流れも出ているけれど、あてられる手当てが圧倒的に違うんだよね。じゃあ最初からそれだけのお金を部活動顧問にあてるべきだと思うけど、部活動顧問の人が同じ学年にいると、仕事が他の人に押し寄せるから、そっちのことも考えてほしいなって思う。だから、地域移行万歳なわけです。教員はやっすい手当てで馬車馬がごとく働いてくれるって思っているってことなんだよね、結局。
別に、個人的には賃金をあげて欲しいとか(あればあるだけ嬉しいのは確かだけど)、手当てや残業代を出してくれーってわけじゃないんだよ。最近出た中教審で「やっべえなこれ」と思った答申が、『多様な子ども達に対応するために、残業代は出しません。(超要約)』ってのがあって、????ってなったよね。意味わからなさすぎるよね。それだけ大変な現代になっている(外国から来たご家庭が増えていたり、LGBTQに対応しろとかアレルギーに細心の気を配れとか発達障害のある子に対して臨機応変に対応しろとか色々あるなかで)ってのは実態として把握していますが、残業代を出す理由になりませんよ。って言ってるってことなんだもんね。意味わかんない。
でね、上記の画像では、『授業のコマ数を減らす』という提言をしているんだけど、それを導入するなら、色々やりようがあると思う。
だってここ10年で何が増えたと思う?
・道徳は教科化。→なら、通知表所見や(通知表や保護者の方がほぼ見る機会がなく記録として残す)要録の文章を作ってね。でも、評価するものではないから、書き方は気をつけてね(投げやり)。ていうのが、導入時の話で。当時、道徳教育推進教員とかいう立場だったから、研修会に参加して「??何言ってんの??」と思ったもんね。そうして出来上がったのは、当たり障りない文章。管理職から何度も添削受けることになるくせに、めちゃくちゃどーでもいいような文章なんだよ。いらないでしょ。所見を書くようになれば、まともに授業する気になるでしょ。っていうのが目的の一つだったらしいんだけど、目的と手段が変わってしまっている。
・英語の教科化→五、六年は評価するよ。それ以外はやっぱり所見ね。で、道徳と同じ感じ。しかも、五、六年の授業内容も、そこまでたいしたことじゃないんだな〜。中学では、もっとちゃんと教えてくれるもんだと思っていてガックリきているみたい。更に言うと、導入前までは、担任とALTを繋ぐ、JCという日本人で英語に堪能な方が授業計画を立てたり、指導のサポートしてくれたりしていたけれど、それも廃止だからね。ほんとなんで必要なところを無駄とみなしちゃうんだろ。個人的にはJCさんは個性的で相性わる〜と思っていたけれど、やっぱりいてくれないと困っちゃうよね。ていうか、これこそ専科にすべきなんよ。じゃないと、ただお遊びする時間にしかならないよね。
・ICT(プログラミング)導入
五、六年の算数と理科で、プログラミング授業の単元が入ったのよね。私は当時情報の担当だったから(道徳と兼任だったかな。大変だったなー。何かと過渡期に担当させられている。)、アナログ人間なもんで、「なにこれいみわかんない!」と思いながらも、がんばって必要な機材を備品購入依頼出したり、やり方の研修会を開いたりで大変だった。
・GIGAスクール導入
みんなに謎タブレット(妙な記号のキーが多いくせに、使い方のパンフレットも出されない)を配付されてしまって。管理も大変だけど、アルファベットを習うのって小3よ? その小3だって、習っていくところなんだから。「せんせー。ログインできません。」「せんせー。やり方わかりません。」の大合唱で、頭痛くなったよね。週に一回来校する、ICT支援員の人に、授業する時は必ずいてもらっていたわ。これもさ、プログラミングの授業と並行して、情報担当の専科がいるべきだと思うのよね。なんせ、多機能なのにさ、使いこなさなきゃ意味ないわけよ。でも、それを身に付けるための研修がどれだけ必要か。毎年毎年やること増える一方だし、システム面でもどんどん変わって新しく覚えることも多いからね。私が休職に入るのを嫌がった理由のひとつとして、変化に置いてかれるからってのもあったよ。だったら専科がいてくれてもいいんじゃないかな。タブレット、特別支援要素のあるお子さんの遊び道具と化していたりするもんね。個別対応でのオンライン授業も大変だったりするわけでさ。活用したいのは山々なんだけどね、いっぱいいっぱいになっちゃうよ。授業準備や子供の対応で忙しない短い休み時間の間に、オンラインセッティング。授業の最中も、オンラインの子と学級にいる子とでできることが異なってくるから、指示を個別化する。だから、要は人手不足。オンラインで必要なことを伝達しやすくなったのは良かったけどね、ちゃんと見ていないってこともあるから過信できないのよ。ていうかね、どうしても子供は壊しちゃうの。しっかりしている子でも、どうしてもね。それは仕方ないなって思うけど。導入だけでもとんでもない費用がかかっただろうに、修繕費もバカにならないわけでね。GIGAスクール導入の2年前には、四十台の普通のタブレットが支給されて、ICTに活用せよってお達しが出たんだけど、アレも速攻で回収されたからね。どこいったのかなアレ。保管庫とか、充電ケーブルとか、使いやすいように工夫したんだけどなあ。
・キャリアパスポート導入
一年生から毎年5枚分くらいの、学期ごとの振り返りとかをファイリングしたものを中学〜へと繋げていくものを導入されたんだけどね、これって意味あるのかな。ファイルなくしたーとか、プリントに取り組む時間がないーとか。あるわけで。管理しなきゃならないものを余計に増やしているんだよね。それに対して、学習効果があるのかなあって。
で、何が減ったかというと、なんもないわけ。現場単位で、何とか減らせるもんは減らそうと努力するけれど、微々たるものよ。要録の担当だった時もあったけど、前任者たちがほんっとてきとーな人達で、一年ごとに保管文書にしなきゃならんもんまで紙のファイルに綴じられていたから、まずそれを分類することから始めたし。データでも、要録作成に必要な文書を残していない。毎年夏休みにある監査で、「〜というように作成してください。」と言われる会に行くわけなんだけど、そこで最新の情報を聞いて、その上で文書データを作成したもんね。そういうの、今まで色々な校務分掌にあたってきたけれど、たいていそういう叩き台がないから、作ることから始めなきゃならないのが苦痛だったね。それだけ忙しいというのか、他の人がてきとーだったのか・・・。家庭科担当になったとき、「ナマ物は使っちゃダメです。教育委員会からも伝達が来ています。」って赤文字で書いた、家庭科授業(今の職場は専科だけど、前の職場は専科じゃなかった)の叩き台も作っておいたんだけどさ、後任の私より年上の人と若手の子が、がっつりハンバーグとかナマ物使って授業しちゃってね。中毒までいったかわかんないけど、腹痛者を出しちゃって。軽度の被害だったから、軽い処分で済んでいたけどさ。人が一生懸命に使った文書くらい、ちゃんと読んでよ配ってよ、と思ったな。
まあ、言いたいことは、コマ数を減らしたり、教材研究時間を確保するためには、
①部活動や時間外の勤務を徹底的に地域移行等で対応する。
②理科(専門性が高いのと、教材管理が難しい)、英語、情報、家庭科(衛生管理を徹底するべく)、書写(硬筆はともかく、毛筆は準備等が大変)は専科にする。
③初任者、若手は副担任を最低一年やってから担任になる(イニシアチブをとるのは基本担任で、机間指導や印刷、丸つけといった雑務をしながら、授業展開や指導の仕方をみる。特別支援要素のあるお子さん対応。担任が休んでも授業を見てきているから、代打で授業も展開できるし、何より安心して経験を積むことができる。)
④時間外業務に対して徹底して残業代、早く来た分の手当てを出す。
個人的には金はいらんし、それなら人材と設備に投資して欲しいと思っているけれど、あまりにも魅力のない仕事となっているから教員志望者を増やすための集客になる。
⑤総合的な学習の時間をなくす。
社会やら生活やら校外学習やらで重複している部分が多い。これだけ増やしてるんだからなくして。これも所見つけろというのが意味不明。教科じゃないじゃん!!
⑥キャリアパスポート廃止
これぐらいはしないとあかん。
一番大切な、子供と向き合い、保護者と共に協力しながら学校生活を送るということができなくなっている。多忙すぎると教員だって安定した精神で接してあげることができなくなってしまう。余裕がないから判断ミスなんかも起きちゃう。充実した授業なんて、作れなくなる。ここ10年で精神疾患で療養休暇や休職になる教員が増えに増えた。それまで、産休育休以外で休む人って、ほんと見たことなかった。だから、ちゃんと削れるところや支援できるところはして欲しい。と、切実に思う。