休職に入って2ヶ月が経ちます。

 特別支援要素のあるお子さん対応が得意なところがあり、診断が下りているけれど通常級が良い子、自身のたいけんも踏まえて同じ学年の別クラスのサポート等を行ってきました。

 なかでもADHDや自閉症系のお子さんは、パニックで自傷や他害に走ることがあります。

 以前にも紹介したことがありますが、一年生時。兄弟がADHD診断を受けていて、薬を処方されている子を受け持ったことがありました。

 その前情報から、「遺伝でADHD傾向があるかも?」と先入観をもったものの、ちょっとだけ集中力が低いくらいで、集団生活も送れていました。ただ、他害をする兄の影響で、私の目の離れる登下校時に危ないことをすること(兄の真似で)があったので、それだけ注意していました。

 そして二年生時。私の手から離れた途端、すぐに衝動的な行動が目立つようになりました。飛び出しなど日常茶飯事。座っていられない、危険な行動をする。他害に及びかねない。ということで、危なすぎてこれくらいのタイミングで支援員も配置されました。

 保護者の方は兄のことがあるから療育に理解があるかといえばそうではなく。「弟まで」という気持ちがあったようで、遠回しに問題があることを伝えても知らんぷりでした。

 そして三年生時。「うーん・・・何とかできるか一年離れていたからわからないけど、◯くんは私が受け持ちます。」と申告して、三年生を担任することになったタイミングで引き受けることにしました。

 すると、授業に対する集中力は確かに減っていたものの、指示すればノートを出して板書はできるし、飛び出しもなくなりました。支援員さんは休み時間にサポートしに行くだけになり、他の仕事をお願いしてやってもらっていました。

 どうやら両親が共働きかつ、兄に手がかかっている分、愛情不足のようで、放課後も学童に入っていたものの「⬜︎先生きらーい」と言って、放課後は学童に行き渋っていたので、「じゃー先生の手伝いしてもらおっか〜。」と、基本的に掃除させて過ごさせていました。仲の良い友達もできて、2人で毎日30分〜は居残っていたと思います。

 ところが、その年度の修了式2週間前ほどに。時々、クールダウンが必要なときがあったので、「じゃあ、ここの場所にいるなら、しんどいときはいてもいいよ。ここ以外にはいかない約束ね。」と決めていた場所があるのですが、ちょっとした通路の物置スペースで、ベランダもあった場所。

 支援員の方がいつもクールダウン時には見守りしていたのですが、授業中に呼び出され、何事かと見に行くと、自分の腕を引っ掻いたりガラスの窓に頭を打ったりしている自傷行為に走っていました。

 「わー。なにしてんのー? どうしたー? いままでこんなんなかったじゃーん。」と、なるべくのんびりした口調で背後から歯がいじめにして、両腕を掴みますが、今度は泣きながら私の腕を掴んで手の甲をがりがり引っ掻いてくるという。

 痛いとか思う間もなく、見てるだけーになっていた支援員の方に「職員室から人手呼んできてください。」と指示を出し、ゆっくり背中を撫でながらも抉られ続けつつ宥めて、なんとか落ち着いたかなというところで駆けつけた方にちょっと様子見をしてもらい、傷跡を急いで隠して教室に戻りました。

 そうして放課後、まだ落ち着きがついていないので、保護者の方を呼んでぐるぐる巻きの包帯を見せて「とまあこんな感じで・・・自傷はすぐに止めたので、本人は傷はないんですけど、パニックになっちゃいまして。どうやらこのクラスが解体される(後日、本人が「私と離れたくない」とも言っていた)のが不安だったようで。これはちょっと心配ですね〜。」
「はあ・・・そうですか・・・。」
「(そうですか!?)支援員さんも次年度、ついてくれるか分かりませんし(暫定的につく予定だったけど、人事のことだから言えない)、ちょっと、本人にとってどういった支援が必要か調べる必要があるのではないかなと思います。」
「はあ。そうですか。まあ、考えておきます。」
「(考えておきます!?)」

 と、いう感じで。

 人の爪(ネグレクト気味なのもあってか、爪の間が汚れていた)でやられたものだから、ちゃんと皮膚科で治療してもらった方が良いと養護教諭から言われ、皮膚科に行って三千円の全治二週間ナリ・・・。

 もちろん、管理職にも報告したけど、労災もおりず。ていうか保護者から治療費どころか謝罪もされず。

 なんかなあ・・・まあ、そこまで深い愛を向けてもらえるのは嬉しいけど、これ、暴行だよね?? こっちが訴えたら勝てるよね?? しかも労災もなんでおりないん??

 こう、特別支援要素を持つ子だけではなく、子供のために体を張る時はけっこうあります。なのに、教員が暴力ふるったーだのなんだのってヘイトを集めるようなニュースばかり流されて辟易しているんですけど、実態として、子供によってこうして怪我を負ったりしている教員も多かれ少なかれいるということを分かって欲しいなと思います。





 たとえばこれも、確かに勢い余って転ばせて、頭を打つことになったのは結果としてよくなかったかもしれません。


 でも、話を聞かない児童に対して、手首を掴むというのは今回の私も同じ行動を取っています。自傷を止めるためといえ、力のこめ具合によっては◯くんに怪我をおわせていたかもしれません。


 そうしたら、それで怪我していたら、私の責任になるの?


 他のパニックを起こした子を、強引に歯がいじめにするなんて、日常的にありました。特に最後に受け持った学年では、違うクラスがそういう子が多くて、でも担任が多忙で朝遅くて。朝から「〜さんが暴れてまーす! 机けっとばしてます!」「今度は〜さんが暴れてまーす!」と。そういう子たちを、身体を張って止めて、無理くり引きずって別室に放り込んで、宥めすかしてってことはいつものことでした。


 持ち上がりで、朝早く出勤(子供達の登校時間に合わせていた)(他にも頼れるベテラン先生もいたけど、教室が少し遠く、緊急性が高いのでとりあえず単身で向かう)(男性教員は部活等の朝仕事に駆り出されている)している私が助けを求めるのにちょうど良かったようで、朝から筋肉痛、みたいなことも。


 そういう他害している子を何とかしている時に怪我(というか、取り押さえ切られずに転倒させてしまったら)(ニュース上では怪我の重さは書いていないので、打っただけだと思われる)させてしまうと、そういうこともあるのか・・・こわぁ・・・でも、高学年ともなると、体格が私に近くなっている、超えてくるから、かなり力が必要になるのですよね。ニュースでは指導のため、とありますが、それも意図的に怪我させようとしたのではなくて、たぶん話をマジで聞かない子だったのでしょう。それなのに、周りの規律も乱す子を放っておいていいのか? と言われたら、違うやろ〜。と思うし。現場を見ていないから、多くは言えないけれど、保護者が訴え出したら教員が何かと処分されまくって、どんどんとお子さんも保護者の方も「だから公立の教員は」ってなって、学校現場が崩壊していくんじゃないですかね。


※画像が生々しくてすみませんが、これでも少し治ったところです。直後の写真は血ィが出ていたので。